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イライラしたときがチャンス?! 子どもの「やる気」を育てる方法

第6062回 ベビーカレンダー
保育士の中田馨さんが、子どものやる気を育てる声かけの方法についてお話ししてくれました。離乳食のときに遊び食べする子、お友だちのおもちゃをとってしまう子などシーン別に解説!

こんにちは、保育士の中田馨です。1~2歳になると、日々の生活の中で子どものしていることに思わずイライラしてしまう場面があります。特にママがしてほしくないことをしたとき。どうしてこんなことをするのかと思ってしまうほど、毎日いろいろなことが起きます。でも、視点を変えてみるとしてほしくないことも、子どもにとっては興味があることということが多々あります。


今回は、ママの声かけひとつで、子どものやる気を育てることができる方法を実際の事例と共にお話しします。

ケース1:1歳4カ月 離乳食をグチャグチャ食べる子

1歳4カ月のAちゃん。食事の時間になると離乳食を両手でグチャグチャし始めます。グチャグチャしながら口にも入れているのですが、特にひどくなるのは食事の後半。口にも入れなくなり、家では「もう、おしまい!」と言って、半ば強制的に食事を終了させているそうです。1歳4カ月なので、そろそろスプーンを使ってきれいに食べてほしいというのがママの思いです。


このような場合、グチャグチャしている子どもの表情を見てみましょう。とても真剣に食べ物を触っていませんか。これだけ集中できるというのは、ある意味すごいこと。これは、Aちゃんが食べ物の感触を味わっているのです。とはいえ、それをずっと見守ってくださいというわけではありません。「トマトが赤くておいしそう。食べてみよう」など促し、「少し酸っぱい? おいしい?」などと、子どもの気持ちに共感しながら声かけをします。


食事のときはどんどん食べてほしい気持ちから、声かけも次々と言ってしまいがちなのですが、いつもよりもワンテンポ遅くするのがやる気を引き出すコツ。大人も次々食べなさいと言われるとそれだけで食べる気が失われますよね。子どもも一緒です。グチャグチャが完全に遊びになったら、「もうおなかいっぱいみたいね」と言って、切り上げてOKです。

ケース2: 2歳8カ月 トイレトレーニングがうまくいかない子

2歳8カ月のBちゃん。トイレトレーニングがなかなかうまくいきません。周りのお友だちを見ると布パンツをはいている子もいてママは焦っています。特にうんちがうまくいきません。ちょうどクリスマス前だったので、ママの口癖は「トイレができなかったらサンタさん来ないよ」でした。


「トイレができなかったらサンタさん来ないよ」、これは子どもにとってはプレッシャーになります。おしっこやうんちは毎日生活の中で何度もする行為ですから、毎回そのペナルティーを言われると、プレッシャーで余計にトイレでできなくなってしまいます。


トイレでできずパンツに出てしまった場合でも、「おしっこ出たのね。パンツ変えようね」と事実だけを言い、「次は、出る前に教えてくれたら、ママ助かるわ」と伝えるだけでOK。周りの子と比べず、自分の子の成長のスピードに合わせ、ママが助かってうれしいことを簡単に伝えることが、子どものやる気を引き出すコツです。

ケース3: 3歳2カ月お友だちのおもちゃばかりを取り上げてしまう子

3歳2カ月のCちゃん。お友だちのおもちゃを取ってばかりいます。ママも「やめなさい!!」と大きな声でしかったりすることもあるのですが、なかなかやめずに困っていました。このような場面では、むやみにしかるのではなく、「かして」という言葉で気持ちを伝えることを何度も教えましょう。そして、おもちゃを取られたお友だちが悲しい気持ちになっていることも同時に伝えます。「かして」と言って、少し待てば貸してもらえる経験を積み上げていきます。


Cちゃんの様子を見ていると、特に遊びの世界に没頭している子のおもちゃを取りに行くことが多いのが分かりました。そこから、Cちゃんの欲しいものはおもちゃではなく、「とても楽しそうに遊んでいる子の楽しそうな姿」ということが分かりました。それが分かったら、Cちゃんが楽しめる遊びを準備すればいいのです。


普段何に興味を持っているか、Cちゃんの行動を見直してみると、おもちゃをこまのようにくるくる回すことが好きだと気付きました。こまを用意すると、その日からお友だちのおもちゃを取りに行くことはなくなり、こまで集中して遊び始めました。子どもが本当に興味を持てる遊びの環境を大人が整えることも、やる気を育てる方法です。

イライラしたときは深呼吸してから

日々、想像もつかないことが起きる子育て。イライラせずに子育てはできません。でも、できる限り感情に任せた言葉が出ないようにする努力をすることは大切です。イライラしたときは、大きく深呼吸。水などの水分を飲むのもいいですね。


緊急時は別ですが、一旦心をリラックスさせて子どもへ対応してみましょう。ママの心が落ち着くと、おのずと声かけの言葉も変わります。声かけの言葉が変わると、子どもの行動も変わります。まずやってみて、失敗してもまた次やってみる。この繰り返しをしているうちに「あ、うちの子、こう声かけしたら動いてくれるんだ」というママだけの魔法の言葉が見つかることもあります。


多くの場合、ママがイライラしたときは、その子が成長するための何かヒントが隠れていることがあります。ママの声かけや行動で、その子のやる気スイッチが発動し、心と体が育まれていきますよ。


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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