あの有名カップうどんも…関東と関西のうどんだし事情

第685回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
寒い時期に、ホッと安らげる温かいうどん。具も大切ですが、だしがおいしいと、だし汁と麺だけで食べることができてしまいます。うどんにとって、それだけだしは重要。しかし、関西に住んでいる人が関東に行くと、「うどんの汁が濃すぎる」と言う、また逆のパターンも然り。なぜその違いが生まれているのか、調べました。

あの有名カップうどんも…関東と関西のうどんだし事情

関東と関西でだしの材料が違う

だしの味や色の違い、それはだしをとる材料の違いのせいなのだとか。「花川製麺所」のウェブサイトによると、関東は、カツオ節を煮出してとっただしをベースにし、濃口醤油を加えて完成。関西は、昆布でとっただしをベースに、イワシやサバなどの削り節を加えて、薄口しょうゆで味付けするのだそう。

なぜだしのとり方が違うのかは諸説あるのですが、一説によると関西の水は硬度が低い「軟水」のため、昆布の旨みをうまく引き出せる。しかし関東は、関東ローム層の影響で硬度が高い「硬水」のため、昆布でだしをとるのに向かない。なので、カツオ節でだしをとり、濃口しょうゆで味付けするようになったとも言われているようです。

カツオ節がベースのだしと、昆布がベースのだしでは確かに味は違うはず。さらにしょうゆも、関東は濃口、関西は薄口なので関東のうどんはだしの色が黒い、と関西の人に言われるのも納得。
実は薄口しょうゆの方が濃口しょうゆより、塩分が高いのですが、関東のうどんは関西のうどんに比べ約4倍の量のしょうゆを使うため、味が濃くなるとの情報もありました。もちろんお店によってしょうゆを入れる量は違うので、一概には言えませんが、関東のうどんの方が味が濃い理由は、使用するしょうゆの量にあるのかも。

カップうどんで有名なあのうどんは東西で味の違いがある!

実はカップ麺でも、東日本と西日本で味を変えている製品があることをご存知ですか? 味の違いがあるのは、日清食品株式会社のロングセラー商品『日清のどん兵衛』(以下、どん兵衛)。うどんのカップ麺と言われたら、まず思い浮かぶ商品ではないでしょうか。

日清食品のウェブサイトによると、東日本で発売されているどん兵衛は、「カツオと昆布を用いた風味のよいだしに、うまみのあるしょうゆを加えた味わい深いつゆ」。

対して西日本で発売されているどん兵衛は、「昆布とカツオのだしが上品に調和した、だしのうまみが後を引く味わい深いつゆ」と表現されています。西日本のどん兵衛にも、原材料名を見たらしょうゆが入っているのですが、説明文には、「しょうゆ」の文字が見当たらない…。
やはりどん兵衛も、東日本と西日本でしょうゆの濃さが違うみたい。

あなたの地域で発売しているどん兵衛は東西どちら?

そうなると気になるのは、普段自分が食べているどん兵衛は、東日本向け・西日本向けどちらなの? ということ。その答えは、カップのスミにこっそり書かれているのです。原材料名などが書かれている一番下に
●合成保存料、合成着色料は使用しておりません。(E)
と書いてあるのがわかります。

東日本のどん兵衛

この(E)というのが“East”、つまり“東”日本向けの製品で、(W)と書いてあるものが“West”、“西”日本向けの製品。

西日本のどん兵衛

ちなみに北海道のどん兵衛も味が違っていて(H)と表記されているのだとか。また、どん兵衛以外にも、東日本と西日本で味が違うカップ麺があるようなので、興味があれば、ぜひカップの側面を調べてみて。

普段何気なく食べているうどん。しかし、東西でかなり味が違うことが判明しました。旅行で違う土地に行った際に、その土地のうどんの味を確かめたり、どん兵衛の裏を調べてみたりすると楽しいかも。もし住んでいる地域と違うアルファベットが書かれているどん兵衛を見つけたら、買って帰り、家で食べ比べしてみるものアリですよ♪
(文・山本健太郎/考務店)