発達障害にはどんなものがある?

発達障害にはどんなものがある?

第2回 発達障害を知っていますか?
ここでは、「発達障害」の主な4種類を紹介します。

※ 「発達障害」は、問題行動の原因が生育環境やほかの疾病であったり、複数の障害が合併していたりすることもあるため、専門医以外の診断は困難です。ご紹介する症例は、あくまで早期診察・治療を受けるための参考にとどめてください。

主な発達障害

◯自閉症スペクトラム障害(ASD)
対人関係の障害(周りの世界に無関心・目が合いにくいなど)、コミュニケーションの障害(言葉の発達が遅れている、オウム返しが多いなど)、興味や行動の偏り(物事が同じであることにこだわる、融通が効かないなど)の3つの特徴が見られます。
この自閉症スペクトラム障害には、自閉症・アスペルガー症候群・そのほかの広汎性発達障害などがあり、症状の程度によって診断名がつきます。

◯注意欠如・多動性障害(ADHD)
不注意・多動性・衝動性の3つの中心的な症状がみられる「発達障害」です。
それぞれの主な症状として、注意力や集中力が持続しない、周りの刺激に気をとられやすい、忘れ物や無くし物が多い、落ち着きがなくじっとしていられない。しゃべりだすと止まらない、思いついた行動を唐突に行う、順番が待てない、感情のコントロールができない…など。これらは子供らしい一面とも言えますが、その特性のせいで日常生活に支障をきたしたり、年齢不相応であったりする場合などに、診断を受けることがあります。

◯学習障害(LD)
聞く、話す、読む、書く、計算するなど、特定の「学習」の基礎的な能力に困難を示す状態です。
本の朗読でどこを読んでいるのかわからなくなる、ひらがなやカタカナがどうしても書けない、計算の概念が理解できず、計算できないなど、学習の面で足りないことが起きるために、「ただの勉強不足」だと誤解されてしまうことも多いようです。

◯発達性協調運動障害
筋肉や神経、視覚・聴覚などに異常がないにもかかわらず、「ボールを蹴る」「字を書く」などの協調運動に困難が生じる障害です。乳幼児期より「這う」「歩く」といった運動面の発達に遅れが見られ、学齢期には、不器用さや運動が苦手なことから学業の成績に影響を及ぼすことも。また、同世代の子どもの遊びについていけないといった、社会的な困難が生じる場合もあります。
※協調運動…運動を円滑に行うために、多くの筋肉が調和を保って働くこと

発達障害から発生する二次障害

「発達障害」は、周囲の環境や無理解などによって更に強まることがあります。また、叱られ続けることで自己評価が低くなったり、人間関係がうまくいかないストレスなどで、ひきこもり、うつ、対人恐怖、家庭内暴力、依存症などの二次障害、三次障害を引き起こすことも。

家庭では、できないことを叱るのではなく、その特性を認め、お子さんがよりよく社会生活を送るための対策を考えていきましょう。良いところを見つけて積極的に褒め、自信を持たせることにより、お子さんの能力も伸びていきます。

発達障害から発生する二次障害