子どもが【将来幸せになる】家庭環境の作り方とは?

第3回 賢い子はこうして育つ!
「真の賢い人は、塾や学校では育たない! 一番大切なのは、何よりも家庭環境である…」そう力説するのは、『将来賢くなる子は「遊び方」が違う』(KKベストセラーズ)を出版した「V-net」(教育相談事務所)主宰の松永暢史氏だ。そこでここでは、松永氏にインタビューを敢行。2020年、大学入試センター試験廃止に伴い、ますます問われる日本の教育。わが子を、「将来賢くなる人=幸せを獲得する人」に育てるための家庭環境について聞いた 。

●テレビを見て大笑いでは子の主体性は育たない

「子どもを賢くするための家庭習慣はたくさんありますが、そのなかでも一番大切なのは、家庭での空き時間の使い方です。親が歯を磨いているのを見て、子どもが自然と歯磨きを覚えるのと同じで、子どもは家庭での親の姿を見て育ちます。母親が家事が終わった後、何となくバラエティー番組を見て大笑いしていたら、子もそのように受動かつ惰性的に成長しますし、母親が主体性を持って読書をしたり、ピアノを弾いたり、植物を育てる姿を見ていれば、子どもも“空き時間は主体的に動くものなんだ”ととらえて同じように学ぶでしょう。この主体性こそが、賢くあるための大切な要素になると言えます」(松永氏 以下同)

●【賢い子が育つ家庭環境】

1.リビングにテレビがなくて本棚がある
2.リビングに地球儀や地図がある
3.親の問いかけが多い
4.山登りやキャンプなど、家族で“ナマ”の経験を共有する
5.母親が趣味を持ち、子育てから脱却する

勉強ができるようになるリビング

「すぐに調べ物ができるリビング、子の想起力を養う親の問いかけ、五感や感受性を育てるナマの体験、自らが好奇心を持ち、学ぶ姿勢を見せる親…これらすべてが、子どもの賢さを促す家庭の特徴と言えます。著書のなかでは、もっと多くの特徴を挙げていますが、まずはできるところから始めてみて下さい」

何事にも好奇心旺盛なママの下で育った子どもは、「勉強しなさい!」など執拗な声かけがなくとも、主体的に学ぶ癖がつき、将来、AIの支配や社会の荒波に負けない賢さへとつながるという。

「楽器やダンス、お菓子作りやガーデンニングなど、何でもいいんです。お母さん自身が、興味のあることにドンドン挑戦してみて下さい。そんなお母さんのエネルギーが自然と子どもに伝播していくものなのです」

大人がスマホの検索やゲームにハマっていては、子どもにいい影響を与えることはできない。いささか耳が痛い話だが、わが子のためにも、今日からできることを少しずつ始めてみてはどうだろうか。

(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

松永暢史
松永暢史
「V-net教育相談事務所」主宰
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。