●学童保育待機児童増加の原因は重層的
待機児童増加の背景には、当然学童保育の施設不足がありますが、それ以前に夫の賃金低下や女性の社会進出の活性化による共働き家庭の増加、離婚率上昇によるシングル家庭の増加(厳密にいえば高止まり)、日本の家族構造の変化による子どもの面倒を見る人の少なさ…など、多くの原因があります。また、昨今は住民から騒音を訴える声も多く、保育士も不足傾向。不足しているからと言って、おいそれと増やすことができない状態です。
●不足する学童保育のメリット・デメリット
学童保育は小学校高学年になれば必要ない、そう考える方の声もあります。しかし、子を持つ親にとってみれば、誰かの家の考えが、我が家に当てはまるわけではなく。様々な育児指南は参考にはなるものの、絶対的な答えにならないのも事実。施設や自治体によっても、サービス内容は異なるものの利用者の皆さんは、学童保育にどんなメリットやデメリットを感じているのか。参考までに、ソーシャル上の意見を調べてみることに。
まずはメリットの意見。
"Sケンやら王様陣取りなんかを一通り遊びまくって体丈夫になったし、6年生になったら1年生の面倒みたり年上年下耐性はつくというメリットがあった"
"小学校区の学童のメリットは、友達との関係も見ることが出来、人間関係でつまずいていることはないか確認できたこと"
"最近はお弁当を外注してる学童もあるのだね。食中毒の問題もあるし、お互いにメリット多そう"
"高額だけど企業の学童も英語学童とか塾要素学童とかいろいろあってメリットは沢山あるし、送迎付きなのが何よりも安心"
たくさんの同世代に囲まれることによって、人間関係やコミュニケーション構築が育まれることにメリットを感じている親は多いみたい。また最近は、民間の学童が都市部に増えています。高額だけど、弁当作りや習い事の送迎など、育児負担が減ることにメリットを感じる声はやはり多いみたい。
続いてデメリットの意見。
"学童が学校敷地内にある所。広い校庭を庭がわりに使えるメリットはあるものの、夏休み冬休み春休み全部までも自宅と学校の往復になるわけで、生活圏があまりにも狭いのは良くないのではないかと思ったり"
"学童って忙しい親のためのものだろうに、役員とか余計な行事(市内学童合同のドッジボール大会とか)とか負担が多い"
"親が主体となって運営している学童保育になると、月1万6千円ということだけど、学童保育に通っていた元学童からすると、ああいったところは人間関係が難しい"
家計へのデメリットがあることはもちろんですが、例えば、学校内にある学童保育の場合、子どもの生活圏や世界が変化しないことに不安を感じている親が数多く散見されました。また、人間関係や人付き合いの面倒くささを感じるという声も…。人付き合いをしたい親もいれば、したくない親もおり、一様にできない難しさが運営側にもあるのでしょう。どんな施設なのかは、見学はもちろん、すでに通わせている親に聞いてみると良さそうですね。
(文・団子坂ゆみ/考務店)