将来の夢がない子ども どうやって夢や希望を持たせる?

第720回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
「プロのサッカー選手になる!」、「私はお花屋さんになりたい」。子どもは将来の夢があり、希望で満ち溢れているもの。最近では「ユーチューバーになってお金を稼ぎたい!」という子どもも現れ始めました。しかし、一方で、“将来の夢がない“子どもも…。

将来の夢がない子ども どうやって夢や希望を持たせる?

小中学生の約6人に1人は…

内閣府が平成25年度に行った「小学生・中学生の意識に関する調査」結果のなかで、小中学生1404人を対象に、将来就きたい職業についてのデータがあります。
将来就きたい職業で、もっとも多かったのが、スポーツ選手(14.0%)。次点は幼稚園・保育園の先生(6.4%)、看護師・介護福祉士(5.0%)、医師・歯科医・薬剤師(4.9%)と続くのですが、気になるのは“わからない”と答えた児童の割合が16.7%ということ。もっとも就きたい職業だったスポーツ選手の14.0%よりも多くなっています。

計算すると、小中学生の約6人に1人は、将来なりたい職業がわからないということに。なりたい職業と将来の夢が直結しているわけではないですが、この結果から考えると、将来の夢がない子どもは決して少なくないようです。

もし我が子に「将来の夢がない」と言われたら?

将来の夢なんてない、と子どもに言われたらどうしたらいいのか。実際に悩んでいる親は少なくない様子。インターネット上でも多数の相談があり、同じ悩みを持つ親や子育ての先輩からの回答が寄せられています。いくつか抜粋すると…。

「夢がなくて消極的ならば、頑張って目を凝らし、お子さんが得意そうなものを探してそれを伸ばす。それか、習い事をかたっぱしから見学しに行って反応を伺ってみては? 興味のあるものは頑張るだろうし、結果が出たら自信がつきますよ」

「人は何でもはできないけど、何かはできるからと、のびやかな気持ちでお子さんと接してあげてください」

「お子さんは悪くないですよ。夢を持つのが難しい世の中ですから」

「逆に夢を持つということはどういうこと? 漠然と「〇〇になる」というのが夢なのでしょうか。これといった夢はなく『普通に生きる』というのも『平穏無事で暮らせるようになる』夢なのでは?」

と、具体的な夢の見つけ方やそもそも夢を持つことの意義を疑問視する意見がありました。もし、子ども自身も夢がないことに悩んでいるのならば、上述のように得意そうなものを探したり、習い事を見学しに行ったりするのも手。何かやりたいことが見つかるかもしれません。


子どもには、将来の夢を持っていて欲しいと願う親も多いと思いますが、親から半ば無理やり「お医者さんになりなさい」、「スポーツ選手になりなさい」と押し付けられても、子どもは困ってしまうはず。子どもの好奇心を大事にして、失敗や間違いがあっても、怒らず、うまく次に活かせるように導けると、子どももノビノビイキイキと成長できるのではないでしょうか。

また、夢は必ずしも持っていないといけないわけではなく、たとえ今、将来の夢がみつからなくても、毎日楽しく、幸せに過ごせるのならば、親にとっても幸せですよね。焦らずに、子どもの成長を優しく見守っていきましょう。
(文・山本健太郎/考務店)