体のへこみに脂肪が寄ってくる
「私のお尻が大きいのは親からの遺伝」なんて思っていませんか?
実は“生まれつきどこかだけ太っている”なんてことはないのだそう。
体の一部だけが太ってしまう場合、原因は日常的な「体の使い方」にあると、骨盤矯正にくわしい山田光敏先生(東京ボディセラピストサロン院長)は言います。
人は誰でも、体の使い方にクセがあり、日常生活を送るうちに体がゆがみます。
そのゆがみが、ぜい肉を呼び寄せ、体型を崩してしまうのです。
ちなみにぜい肉はすき間が大好きなので、体がゆがんで骨格にデコボコができると、へこんだ部分にどんどん脂肪が寄って、太ってしまうのです。
ところで、体のゆがみというと「骨」のバランスが崩れた、と思うかもしれません。
でも、ゆがみを引き起こす真犯人は、むしろ「筋肉」なのです。というのも、骨格を動かしているのは、骨をがっちり取り囲んで支えている筋肉。
筋力バランスの変化によって「骨=骨格」がゆがむのだそう。
体の前後左右で筋肉のバランスが均等なら、骨格は正しい位置に保たれ、ゆがみません。
でも体の一部分を酷使したり、逆に使わないところがあると、筋肉のバランスは崩れます。
すると、よく使う方の筋肉が骨格を引っぱり、ゆがめてしまうのです。
筋肉バランスを崩す元になるのが、悪い姿勢や体の使い方。悪いクセを続けていると、体型はぶかっこうになる一方です。
ちなみにゆがんだ体は、以下のような状態になりがちです。
あなたも体がゆがんでいないかチェックしてみましょう。
ゆがみが原因で起こる体の特徴
・巻き肩肩甲骨と腕の上の骨が前に引っ張られ、肩が巻いたように丸くなる状態。
別名「スマホ肩」、「前肩」とも。前傾姿勢が原因で、二の腕のプヨ肉、胸のたるみを引き起こします。
・猫背背骨の胸あたりになる「胸椎」が、きつく曲がった背中。
首は前に出ておばあさんのように。
巻き肩や反り腰など、他のゆがみもあることが多く、どっしりした背肉の原因にも。
・反り腰「腰椎」がお腹側へ出て、腰が反り返った状態。
腹筋の衰えをカバーするため腰に力を入れたり、猫背を正そうと腰を反ることでなりがち。
骨盤が前傾し、お腹が出てしまいます。
・滑り腰腰椎が背中側にゆがみ、背中から腰のラインが平たくなった状態。
イスの背にもたれかかるなど、骨盤が後ろに傾く生活習慣が原因です。
お尻が垂れて大きくなります
・O脚・X脚両ひざが離れて、脚全体が外側に曲がったのがO脚。
両ひざはつくけれど、足先が離れるのがX脚。
どちらも脚のつけ根・ひざ・足首関節の回旋が原因で、脚が太くなります。
安定させるためにぜい肉がつく
体がゆがむと、そこにぜい肉がついてきます。見た目は悪くなりますが、実は体が安定するためには必要なことなのです。
姿勢の安定に適しているのは、筋肉のつき方や働きが均衡(きんこう)で、体の軸がしっかりした、まっすぐな体。
逆に筋肉が不均衡でゆがんでいると、グラグラ不安定に。
体は姿勢を安定させるために応急措置をとります。これがぜい肉の元に。
体は骨格のゆがみを自ら正せません。そこでゆがみのスキ間をぜい肉で埋め、まっすぐな形にして安定させるのです。
背中がゆがめば背肉に、骨盤がゆがめば骨盤について尻肉に。
ゆがみの元になるのは「バックを片方の腕でばかり持つ」「脚を組む」「前かがみの姿勢を続ける」といった体の使い方。
左右非対称の動きや、体の前後、どちらかに偏った姿勢は、ゆがみを生む大きな原因になるので注意して。
特にいまどき多いのは、スマホやパソコンを長時間することによる猫背姿勢。
30分続けたら背伸びをするなどして、ゆがみを防ぎましょう。
執筆/監修:株式会社からだにいいこと