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まぶたの傷にも!?消毒しない、乾かさない「湿潤療法」とは? 

まぶたの傷にも!?消毒しない、乾かさない「湿潤療法」とは?
~キズは消毒しない! 乾かさない! ガーゼをあてない!~

家庭で出来るキズの手当て。痛くなく、あとが目立たないウェット療法を紹介します。※ウェット療法は湿潤(しつじゅん)療法とも呼ばれます。

キズを消毒し、乾かし、ガーゼをあてることのデメリット

子どもはいろいろなケガをしますよね。
血がにじむ程度のすりキズや切りキズなど、「病院へ行くほどじゃないけれど・・・」という軽いケガのとき、みなさんはどのようにしていますか?
まず消毒して、ガーゼをあてると、乾いてカサブタができて...ですか?
でも、消毒はしみるし、ガーゼをはがすとき痛いし、また血がにじんできますよね。
本当にこの方法でよいのでしょうか?  
 
【消毒することのデメリット】
消毒液は細菌やウイルスを殺しますが、治そうとする細胞も殺してしまい、皮膚が元に戻る力を奪います。

【乾かすことのデメリット】
キズからしみだすジクジクした浸出液(しんしゅつえき)には、白血球や皮膚の細胞の再生を促す成分がいっぱい含まれます。乾かすとキズの保護ができないので、快復が遅れるだけでなくきれいに治りません。

【ガーゼをあてることのデメリット】
キズが治るための大切な浸出液を吸い取ってしまいます。また、ガーゼ交換のときにせっかくできた新しい皮膚の細胞をいっしょにはがしてしまうので、痛くて出血もし、快復は遅れます。

「消毒しない、乾かさない、ガーゼをあてない」で、痛みが少なく、きれいにキズを治す『ウェット療法』が、今注目されています。
まぶたの傷にも!?消毒しない、乾かさない「湿潤療法」とは?
 

ウェット療法の基本とメリット

【ウェット療法の基本:消毒しない・乾かさない・ガーゼをあてない】

① キズは消毒しないで、きれいに洗う
消毒液を使わないので、皮膚の細胞の自然治癒力が失われません。
毎日洗うことで、化膿の原因となる泥や死んだ組織などの異物は洗い流され、きれいなキズの表面が保たれます。
② キズは乾かさない
キズは浸出液でおおわれるので、細胞が早く再生します。
カサブタができないので、きれいに治ります。
③ ガーゼをあてない
浸出液を吸い取らずに、キズの表面の潤った状態を保てます。
ガーゼをはがすことによる、再生した細胞のダメージをふせげます。

【ウェット療法のいいところはなんですか?】
ウェット療法のメリット
① 痛くない
② 治りが早い
③ 処置が簡単
④ カサブタができないままキレイに治る

ケガの際にはキズを消毒せず、よく洗いガーゼをあてない「ウェット療法」が有用です。
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家庭で対応可能なキズ

ちょっとした切りキズやすりキズなどでは、ことさら医療機関を受診する必要はありません。
頬のこの程度の「すりキズ」(写真1)では、ご家庭でのウェット療法で十分対応可能です。左のまぶたのキズ(写真2)も、まぶた全体がやや腫れた感じはあるものの、ウェット療法のみで翌日には腫れが引き、数日後には治ってしまいました。
右手の中指をドアに挟んだこのようなキズ(写真3)でも、多少の出血はあっても、爪の色に変化がなければ問題ありません。
途中から、キズを痛がる、キズの周囲が腫れて赤みを帯びた場合は別として、家庭で治療可能なキズも多いのです。
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こんなキズは病院へ

以下の項目にあてはまる場合は、家庭のウェット療法は行わずに、医療機関を受診してください。

1.動物や人に噛まれたキズ
2.骨や筋肉が見えているキズ
3.キズがジグザグしていたり、開いていたり、出血がなかなか止まらない場合
4.キズの中に木くずやジャリなどの「異物」が残って取れそうにない場合
5.大きな水ぶくれが出来ていたり、破れていたりするやけど
6.電気カーペット湯たんぽによる低温やけど

ウェット療法ってどうするの?

ここでは食品包装用ラップフィルムを用いての簡単なウェット療法を紹介します。ドラッグストアで販売されているワセリン、サージカルテープを準備します。

① 水道水でキズと周囲を洗い流す。
② 出血している場合、清潔なガーゼなどで押さえ圧迫する。
③ ラップフィルムに直接ワセリンを塗り、キズにあてる。
④ ラップがズレないようにサージカルテープでとめる。包帯で巻いてもよい。(入浴可)
⑤ 1日1回キズをよく洗う。(消毒不可) ③、④を繰り返す。
⑥ ツルツルの新しい皮膚が出来たら「治った」と判断。通常は4、5日です。

夏など汗をかきやすく、アセモができやすい時期は1日に数回交換して下さい。
※食べものを包むためのラップフィルムは、人体に害はなく心配はいりません。
※ただし、ラップの箱には「食品包装用途以外には使用しないでください」と記載してある点をご承知おきください。
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ラップフィルムを用いたウェット療法の実際

ラップフィルムへのワセリンの塗り方は、難しいものではありません。パンにバターを塗るのと同じ要領とお考えください。
 下の写真は、1歳の子の手のひらのやけどを、家庭でラップを用いたウェット療法で処置したものです。子どもの手の動きは激しいので、テープで固定してもラップフィルムが外れそうなときは、その上を包帯でグルグル巻きにしてもかまいません。
 ご覧のように、2週間後には、きれいに治っています。
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ウェット療法で注意することって、どんなこと?

1.におい
 ラップフィルムとワセリン交換の際、独特のにおいがすることがよくあります。これは、皮膚の常在菌や分泌物が臭気を帯びたもので、化膿しているわけではありません。

2.化膿
 キズが化膿した場合は、痛がったり、赤く腫れてきます。そのようなときは受診してください。

3.医療機関との関わり
 ウェット療法にはたくさんのメリットがありますが、残念なことにまだ全ての医療機関で対応してくれるわけではありません。この療法を行っている身近な医療機関を把握しておくとよいでしょう。

【おすすめのホームページ】
「新しい創傷治療」 
http://www.wound-treatment.jp

「ウェット(湿潤)療法」
http://sakuma1960.byoinnavi.jp/pc/free41756.html
【日本外来小児科学会について】
日本外来小児科学会は1991年に設立された学術団体です。
http://www.gairai-shounika.jp/
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