幼稚園の入園準備、親子で馴染むためにやるべきことは?  

第2回 4月の入園・入学に向けて準備すべきことは?
3、4歳からの入園が多い幼稚園。そのため入園までに「ひとりでトイレに行ける」「ひとりで着替えができる」といった、ある程度の自立が求められる。

すでにできる子はいいが、できていない場合は焦るママも多いだろう。「自分の子だけできなかったらどうしよう…」。そんな心配もあり、イライラしてしまうかもしれない。

そんな幼稚園ママの焦りについて、幼児教育家としてたくさんの子どもの発達支援や運動指導にかかわっている竹内エリカさんにお話しを伺った。

●トイレや持ち物など、気にしすぎないのが一番!

「子どもの発達はさまざまです。入園前にトイレトレーニングなどはできていなくても、気にしすぎないようにしましょう。入園後いつかは必ずできるようになりますからね。でも正直、できていたほうがママのストレスが少なくて済むのは事実です」(竹内さん、以下同)

なぜできることが子どもではなく、ママのストレス軽減になるのか? 

「自分の子だけできていないことに不安を感じる人が多いからです。ですから『うちはうち、よそはよそ!』と心を強く持てる人は、そのままでいいと思います。とはいえ、ママが短時間で子どものしつけをするのは難しいです。子どもも相手がママだと甘えもでてくるので、効率的ではないです。どうしても4月までにできるようにさせたいなら、幼児教室で集中的にしつけを教えてもらうのも手ですよ」

ちなみに、幼稚園のイメージとしてあるのが手さげカバンや上履き袋などは手作りするのが「愛情の証」とされる文化。裁縫が苦手でも、やっぱり手作りしないといけないの…?

「手作りと愛情は別のものです。でも日本のママたちは『自分の子だけ既製品なのはかわいそう』と思いがちで、それがストレスになる。でも、今は幼稚園で使えるハンドメイド風のいい既製品がたくさんあります。裁縫が苦手なママはそれを上手に利用すればいいと思いますね」

保育園の様子

●「幼稚園がすべて」になると、ママ友トラブルの危険性大

さらに竹内さんは、幼稚園ママとして注意するべきことに「ママ友関係」を指摘する。

「保育園よりママ同士の接点が多い幼稚園でママ友ができると、園生活が楽しくなりますよね。でも自分の居場所がそこだけになると、ママ同士のトラブルに発展しやすいのも事実なんです」

トラブルをできるだけ回避するために、今からできる準備としておすすめなのは「別の居場所をつくること」だそう。

「習い事でもサークルでも何でもいいので、幼稚園以外の居場所があったほうが絶対にいいですよ。実際、保育園ママは仕事というもうひとつの居場所を抱えている人がほとんどなので、ママ友トラブルは少ないですから」

子どもがなじめるかの不安以前に、実はママがなじめるかの不安が大きい幼稚園。「人は人」と思えれば大抵のことは解決するが、そうはいかないのが日本のママたちの性なのだ。それを認めつつ、いかにやり過ごすか。それが幼稚園生活の準備で大切なポイントかもしれない。
(高山惠+ノオト)

お話をお聞きした人

竹内エリカ
竹内エリカ
幼児教育家 日本キッズコーチング協会理事長。20年にわたり発達心理について研究し、約1万200人の親子に携わる。発達支援では多動症・不登校の克服に尽力し、運動指導でも多くの実績を残す。FMコミュニティラジオ「竹内エリカのわくわく子育てcafe」 ではパーソナリティとしても活躍中。
幼児教育家 日本キッズコーチング協会理事長。20年にわたり発達心理について研究し、約1万200人の親子に携わる。発達支援では多動症・不登校の克服に尽力し、運動指導でも多くの実績を残す。FMコミュニティラジオ「竹内エリカのわくわく子育てcafe」 ではパーソナリティとしても活躍中。