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男性育休推進に必要なのは多様性!?

衆議院の小泉進次郎議員が現役の大臣としては初めて育休を取得したことで男性育休に注目が集まる中、NPO法人ファザーリング・ジャパンによる緊急フォーラム「パパ育休は今度こそ本当に進むのか?~男性育休は社会を変えるボウリングの1番ピン」が2月6日に都内で行われ、男性育休について活発な議論が交わされました。今回はその模様を一部抜粋してレポートします。

育休だって、セクシーじゃなきゃ

「ボウリングで10本並んだピンの先頭にあるのが1番ピン。ここが倒れると後ろのピンがどんどん倒れるわけだが、男性育休はまさにこの1番ピンだと思います。DVや児童虐待、女性の社会進出の遅れ、少子化、介護離職など社会問題はたくさんあるけど、男性が育休を取って家事や育児に参画することが実現するとこういった問題の解決にも繋がると思っています」

主催したファザーリング・ジャパン安藤哲也代表による男性育休の重要性を語るところからフォーラムはスタート。

まずは今回のフォーラム開催のきっかけにもなった、現役の大臣としては初めて育休を取得した小泉環境大臣の話題に。

「セクシーじゃない」

自らも育休取得経験がある東京都文京区の成澤廣修区長は率直な感想を一言で表現。

「小泉大臣の育休について議論になったとき、いろいろな人から話を聞いて知識を集めた上で理論武装して育休を取得しました。それは小泉大臣のセクシーじゃないところだと感じました。そこまで理論武装しないと取れないことが問題だと思う。もっと単純な父親として家族を大事にしたいという思いだけで取れるようにならないと。いろいろなことがあると思うけど、これを機に働き方改革とセットなんだという議論に広がってくれたら。今は、子どもが熱を出した時に預けることができる病児保育の準備もしているけど、親がちゃんと休める社会をつくるのが本当の目的だと思うので、その出発点にしてもらいたい」

現在、文京区の男性職員の育休取得率は2割程度だそうですが、1年以上の長期の育休を取得するメンバーも出てきたということで、成澤区長は短期間でも義務化することも視野に入れているということです。

一方、小泉大臣と同じ国政に携わる寺田学議員は。

「永田町は皆さんが思っているより冷めているのが現状です。これは男性だけでなく女性議員でも反対する人がいるほどです。女性議員からは『うちの夫は子育てで役に立たなかった。だから、男性が取る必要はない』と声がありました。ただそういう中で育休を取ったということはものすごく大きい。心から尊敬します」

小泉大臣に対する敬意とともに驚きのエピソードを聞かせてくれました。この女性の反対意見については、ジャーナリストの治部れんげさんが一言。

「夫が役に立たなかったから男性育休はいらないという意見は私も聞きます。そのたびに必ず伝えるのは『あなたの夫が役に立たなかっただけで、他の人も一緒にしないで』ということです」

極めて真っ当な指摘に、会場では大きな笑いが起こりました。

人材不足だからこそ男性育休が必要

合計特殊出生率の伸び率で全国1位を誇る三重県からは育休取得経験があり、子ども向けの絵本も出版している鈴木英敬知事が登壇。

「三重県では『ファザー・オブ・ザ・イヤー in みえ』を表彰していて、いいモデルを広めていく活動をしています。ここで表彰するパパには里親の方もいます。家族の形には同じモノはないので、選択できる道を作ることが重要。育休も多様性を認められるような社会にしないといけないと考えています」

「みえの育児男子プロジェクト」を進め、男性の家事育児参画について先進的な取り組みをしている三重県らしい一歩進んだ持論を展開しました。

この意見には、以前、パパコミでもインタビューしたサイボウズ株式会社の青野慶久社長も賛同。

「これまで3回育休を取ってきました。長男の時は2週間の育休、次男の時は半年間、毎週水曜日を育休日にしました。そして三男の時は半年間、16時退社という時短勤務をしましたが、家族にも社員にも一番評判がよかったは3回目の時短でした。育休を取る取らないだけでなく時短は敷居の低い育休として選択肢にいれてほしいと感じています」

また、少子化が進む中で懸念される人材確保についても話が及びました。

「かつてサイボウズは離職率の高さに悩まされていました。しかし『100人100通りの働き方』として社員それぞれの生き方に合わせた働き方を認める体勢に切り替えたら、28%だった離職率は4%まで下がりました」

男性育休義務化へ活発な働きかけを行っている株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長は様々な企業などと接している中でこんなことを感じているそうです。

「企業は、男性育休の制度が整っていることを一つのウリだと認識してきています。実際に今の就活生は働き方についてもとてもよく考えているし、ちゃんと見ている。そういう流れになっているという実感があります」

すでに少子化が進んでいる中で人材確保は企業にとって大きな課題。育休を取ることで一時的に業務をする人手が減ることも事実ですが、長い目で見れば必要なことなのかも知れません。

また、ママでもある小室社長は、女性からの目線で育休の重要性を語りました。

「産後の妻の死因1位は自殺であることを忘れないでください。その主な要因は産後うつです。産後うつを防ぐには太陽を浴びることや十分な睡眠が必要ですが、産後にはそれらをする余裕がほとんどありません。パートナーを頼りたくても忙しいのはわかっているからなかなか難しい、だから休みをとってくれないと頼れないという部分があることもわかってもらいたいです。育休取得を申し出たら企業は拒否できないというルールはありますが、申し出ることが難しいのが現状です。だからもう一歩進んで、企業から社員に向けて『育休取る?』と問いかけるところまでを義務化するべきなんじゃないかと感じています」

小泉大臣からメッセージ「睡眠不足を育児の楽しさとかけがえのない喜びで補い励んでいきたい」

他にも世界各国の育休制度についてなど、様々な情報や経験を基に熱い議論が繰り広げられたフォーラム。最後には、公務のために出席できなかった小泉大臣から届いたメッセージが紹介されました。一部ご紹介します。

「私が育休を発表した時、『80%の人が育休を取りたいと思っているのに、6%の人しかとれていない』のは、制度以上に空気が問題だと言いましたが、早速、野党にも男性議員の育休が波及し、自民党内のある議員からも私に育休を取る予定だと伝えてくるなど、確実に空気は変わりつつあります。これからもその変化が社会全体の前向きな変化につながるように、皆さんと共に取り組んでいきたいと思います。

育児を始めてまだ間もない立場ですが、睡眠不足を育児の楽しさとかけがえのない喜びで補い、時々うまくサボりながら、育児と仕事に励みたいと思います。そして、育児のお陰で得た気づきや学びを、政策を通じて日本の将来に活かし、一人一人の生き方、働き方に合わせた選択肢がある社会を創っていきたいと思います」

この日も会場には多くのメディアと100人を超える方が来場。オンライン中継の視聴者を含めると400名以上が参加するほど注目が高まっている男性育休。出席者からも様々な意見や提案が出ていましたが、まさに今は高度成長期にできた働き方や生き方のモデルから、柔軟な新しい形への過渡期。時代とともにみんなが笑って暮らせる形についてはまだまだ議論が続いていくのではないでしょうか。

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「パパコミ」は、0歳~6歳の子どもをもつパパや、そんなパパたちを応援するママを対象にした情報サイトです。未来を担う子どもと、子育て中のパパ・ママを「元気」にできるよう、育児に役立つ情報を日々発信しています。
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