公共の場で守りたい、授乳のマナーとは

第1回 外出先での授乳、どうする?
「ケープなどで隠しながら授乳する人も多いが、それでも目のやり場に困る」

今年1月に新聞の投書欄に寄せられた投書に、ソーシャルメディアでさまざまな見解が飛び交った。

ママが公共の場で授乳するときに守ったほうがいいマナーってどんなことがあるの? 母乳育児専門家のあき助産師に聞いてみた。

「授乳している女性の姿は、無意識に周囲の人が『胸や乳首が出ている』というイメージを促してしてしまうことが少なくありません。そのため、このような投書にさまざまな見解があるのは当然のことだと思います」(あき助産師 以下同)

しかし、電車などで移動中に子どもが母乳をほしがって泣き出してしまうことはある。周りの目が気になりその場で授乳できずに子どもがぐずるままにしておくと、泣き声が気になる人からの反感を買うことも…。近くに授乳室がない場合も多いし、こういうときはどうすればいいの?

電車内で赤ん坊を抱きかかえる女性

●「授乳しているように見えない」授乳服

「そうした場合に備え、授乳服を使うことをおすすめします。このときポイントになるのが、授乳するときの向き。例えばスリットの付いた授乳服なら、おっぱいをあげるときにスリットの空いている向きを人がいる方向の反対にすることで、うっかり服の中が見えることはありません。そのため、周囲に周囲からは抱っこしているようにしか見えず、目立たずに授乳することができます」

授乳服が使えると、授乳室を探す手間が省け、外出先の負担が軽減する可能性もある。慣れれば授乳服を持っていなくても、授乳室のない施設で着てきたコートを羽織ったりスカーフ1枚かけたりすることで死角を作り、授乳できる高度なテクニックを身につけているママも少なくない。

「授乳に限らず、場所や状況に応じて周囲に配慮のある行動であれば、理解を得られる機会は増えると思います」

赤ちゃんにとって授乳は大切な食事の時間。それでも、周りの人からすればその姿は気になってしまうことがあるのも事実。少しの配慮で周囲の理解が得られるなら、それが望ましいのかもしれない。
(文・石水典子+ノオト 画像提供・モーハウス)

お話をお聞きした人

あき助産師
さら助産院
母乳育児専門家。助産師。看護師。母乳育児支援では「ママにとってのラクチン授乳」と「赤ちゃんの気持ちを通訳」をモットーに、今まで8,000人以上をサポート。行政の新生児訪問歴は19年の経験を持つ。
母乳育児専門家。助産師。看護師。母乳育児支援では「ママにとってのラクチン授乳」と「赤ちゃんの気持ちを通訳」をモットーに、今まで8,000人以上をサポート。行政の新生児訪問歴は19年の経験を持つ。