保育園の子どもに適したお弁当とは?年齢別に注意点を紹介

第11回 みんなが共感!ママのお悩み
保育園に通う子どもに持たせるお弁当は、食材や大きさ、衛生面など気をつけるポイントが複数あります。年齢によっても適した具材は変わるため、子どもの成長に合わせたお弁当を考えましょう。知っておくと便利な定番レシピと盛りつけのコツも紹介します。

保育園児のお弁当作りのポイント

保育園の中には、遠足や月1回の「お弁当の日」など、お弁当を持って行く日が定期的に発生する園もあります。家での食事なら子どもの食欲によって種類や量を調整するのは簡単ですが、お弁当となるとそうもいきません。

「どんな材料を使った料理をどのくらいの量持たせればよいのか…」と迷ってしまう人も多いでしょう。まずは、保育園児のお弁当作りをするうえでおさえておきたい基本のポイントを紹介します。

お弁当箱に迷ったら小さめを選ぶ

保育園児の食べられる量はまだ少ないものです。お弁当箱のサイズに迷ったときは「ちょっと小さめ」と感じるくらいがかえってちょうどよいでしょう。

保育園では、家とは異なる環境に緊張してしまい、普段より食が細くなる子もいます。食べるスピードが安定しておらず、保育園で決められている食事時間の間に食べきれないことも珍しくありません。

小さめのお弁当箱を選べば、量がいつもよりやや少ないとしても子どもも「1人で食べきれた」という達成感を得られます。大まかな目安としては、1~3歳なら「200~280ml」、4~6歳なら「360~400ml」くらいが一般的です。

衛生面には十分に注意しよう

お弁当は、調理してから子どもが食べるまでに、ある程度の間が空くことを想定して作る必要があります。子どもの健康を考え、衛生面には十分に配慮しましょう。

食材は調理するときにしっかり火を通し、お弁当に不向きな「生もの」や「水分の多いもの」はなるべく避けるのが無難です。

おにぎりにしたり料理を詰めたりするときには、ラップやビニール手袋を使って手の雑菌が移らないようにします。

梅干しに含まれる「クエン酸」やお酢は抗菌や防腐作用があるため、食材として取り入れてみましょう。

最後にお弁当箱のフタを閉めるときには、料理をきちんと冷めてからにすることも大切です。内側に結露がついて、食材が傷んでしまうのを防げます。

保育園のルールもチェック

保育園によっては、子どもの安全を守りトラブルを防ぐためにお弁当のルールが決められています。主に、衛生面・安全面・栄養面が理由です。

近年では、安全面から、つまようじや「ピック」などの尖ったものが禁止されている園が多いでしょう。細かな装飾などで食材に触る時間が長くなる「キャラ弁」を禁止する保育園も増加しています。

栄養バランスのために「デザートはプリンやゼリーは禁止で果物のみ」という場合や「冷凍食品禁止」としているところもあるでしょう。

ほかにも、弁当箱は安価なプラスチック製が主流ですが「保温庫」がある保育園では、耐熱性のあるアルミやステンレスに限定されています。

せっかく作ったお弁当をちゃんと子どもに持たせてあげられるように、保育園のルールを事前にチェックしておきましょう。

年齢別に残さず食べてもらえるコツを紹介

「愛情を込めて作ったお弁当を残さず食べて欲しい」というのは、ママ共通の思いでしょう。子どもの年齢に合わせて、どのくらいの量でどんなお弁当を用意すればよいかを把握しておけば、お弁当作りが格段にラクになります。

1歳から2歳はおにぎりのお弁当がおすすめ

1~2歳は「手づかみ食べ」の時期です。手で食べ物をつかんで食べられるようになると、スプーンなどの道具を持ち始めたときに指に力が入ります。

この時期は、子どもの小さな手でもしっかりつかめるように、おにぎりをメインにしたお弁当がおすすめです。

子どもが自分のペースで食べられるように、おにぎりに入れる具材を小さくしたり、かみ切りやすいやわらかさの海苔を使ったりしましょう。

おかずの食材もスティック状や小さめサイズにします。てづかみで口に運んだときもこぼしにくく、子どももストレスなく食べられます。

3歳から4歳は食べやすい工夫が大切

3~4歳はスプーンやフォークを上手に使えるようになり、子どもによってはお箸も少しずつ持てるようになるころです。子どもが食器を使って上手に食べられるように、つかみやすく食べやすい工夫を凝らしてあげましょう。

フォークで刺しやすいようにおかずはひと口大に切って「自分で食べた達成感」を感じてもらうことが大切です。すべりやすいスパゲティやこぼれやすいそぼろなどは避けます。

こぼれやすい具材を肉巻きや海苔巻きにしてひとまとめにする方法は、子どもも口に入れやすくなるおすすめのアイデアです。

5歳から6歳はグラタンで野菜もパクパク

5~6歳になると、食べられる量も種類もぐっと多くなります。成長するにしたがって記憶力が発達し、味の好みが見られるようになるのもこのころです。

特定の野菜に好き嫌いが出てきても、ほかの野菜で栄養を補えるため心配要りません。成長するにつれ好みはどんどん変わってくるため、一時的なものだと考えてあまり気にしすぎないようにしましょう。

とはいえ、食べにくい野菜も子どもの好きな食材と合わせればおいしく食べてくれることが多いものです。

ツナやマヨネーズ、チーズを使ってグラタンを作り、ピーマンやブロッコリーなどの緑黄色野菜と混ぜれば野菜を意識せずに食べられます。

子どもが喜ぶ定番おかずレシピ

入れておけば子どもが喜んでくれる鉄板レシピがあれば、日々のお弁当作りがラクになります。子どもも、お弁当の時間を楽しみにしてくれるようになるでしょう。

「お弁当のレパートリーを増やしたい」という人のために、具体的な定番おかずレシピを2品紹介します。

煮るだけ簡単ミートボール

ミートボールは子どもの多くが大好きなメニューのひとつです。つかみやすく口に入れやすい形状で、子どもにとって食べやすい点も重宝します。

市販のものがたくさん出回っていますが、手作りすれば味つけや食感などをアレンジできるのもメリットです。「忙しい朝の時間に手の込んだものは作れない…」という人でも、煮るだけでできるミートボールなら負担なく作れます。

前の日の夜に下ごしらえを済ませておくと、翌朝作るのもラクチンです。肉団子の中にチーズや細かく切った野菜などを入れてアレンジすると、子どもも喜ぶでしょう。

フライパンでひとくち大学いも

野菜が苦手な子どもでも、甘めの味つけであれば好んで食べてくれることも珍しくありません。小さな子どもが成長するためにはエネルギー源となる糖質の摂取が重要です。いも類を使ったスイーツはぴったりでしょう。

さつまいもは「ビタミンC」「カリウム」「食物繊維」などが豊富にあり、子どもの健康のためにも取り入れたい食材です。小さくカットすれば子どもの小さなお弁当箱にも収まります。

「きんぴら状の細切り」や「1cm角のサイコロ状」にしたさつまいもを、砂糖・しょうゆで甘じょっぱく炒めます。最後にゴマをふりかければ、風味豊かな大学いもの完成です。

揚げずに炒めるため、忙しい朝でもサッと作れます。炒める油はバターにすると、スイートポテトのようなまろやかな味わいになります。

楽しい盛りつけでワクワク

食材や大きさ、味にこだわるのもよいですが、せっかくのお弁当なら子どものテンションが上がる楽しい盛りつけをめざしませんか?

見た目も華やかになり、子どもの食欲もアップします。お弁当の飾りつけに役立つ盛りつけテクニックとグッズも一緒にチェックしましょう。

100均グッズで卵をお星さまやハートに

100均に売っている星やハートの抜き型やシリコン型を使えば、卵焼きをかわいい形にアレンジできます。

「抜き型」は、薄焼き卵の上から押さえつけるだけでカットできる便利グッズです。そのまま型抜きしたものをちりばめるのもよし、アレンジも楽しめます。

例えば、ソーセージを輪切りにしたものの中心を、ハートや星の抜き型で型抜きします。空いた部分に型抜きした卵をセットすれば、ソーセージのピンク色と卵の黄色が鮮やかなおかずのできあがりです。

「シリコン型」は、マフィンなどのお菓子用の型に卵液を流し込みます。水を入れたフライパンで蒸し焼きしたり、レンジでチンしたりするだけで、スプーンでも食べやすいミニオムレツが簡単に作れます。

すき間うめに活躍するハムとチーズ

お弁当のすき間ができたら、ハムとスライスチーズを交互に重ねるだけでできるミルフィーユを詰めるのはいかがでしょうか?

スライスチーズとハムを重ねてクルクルと巻くだけです。ハムとチーズを重ねた際、さらにアスパラやインゲン、レタスなどを入れて巻くと野菜も一緒に摂れます。

包丁でカットするだけでも断面がかわいいですが、星やハートの抜き型を使うとより簡単で見栄えがよくなるでしょう。ピックなどで固定すれば時間が経っても剥がれず、形を保てるため安心です。

海苔を貼るだけでキャラ弁も

海苔はカットして貼るだけでキャラの顔を表現したり、模様をつけたりできる便利な食材です。忙しいときでも、手の込んだように見えるかわいいキャラ弁ができます。

シンプルなおにぎりでも、形を丸めて耳・目・鼻などにカットした海苔を貼りつければうさぎやくま、パンダなどかわいい動物に変身します。

乗り物好きの子どもなら、おにぎりを長方形に整えてから窓や模様を海苔で作り新幹線や電車にするのも喜ばれるでしょう。

市販の「海苔カッター」もあるため、お弁当に取り入れたい人はチェックしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

忙しいママにとってお弁当作りは大変ですが、子どもに適した食材やちょっとした料理のコツをおさえておけば、子どもが喜んで完食するお弁当を作れます。

定番レシピやアレンジ術を駆使して、子どもに愛情たっぷりのお弁当を作ってあげましょう。