絵本『たべてあげる』が怖いと話題。その他怖い絵本といえば…

第800回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
2011年12月…約6年前の作品であるにも関わらず、インターネットやSNS上で「内容が怖すぎる」と現在話題になっている絵本があります。絵本『たべてあげる』は、『いちにち〇〇シリーズ』で数多くの絵本を手掛けているふくべあきひろさんの作品。いったいどんな絵本なの? そのほかの怖い絵本についても調べました。

絵本『たべてあげる』が怖いと話題。その他怖い絵本といえば…

可愛らしい絵と裏腹に…終盤の惨劇に大人もゾクッ

Amazonの『たべてあげる』の購入ページを見ると、そこには、“スキキライしてる子だーれだ? ごはんを残さなくなる絵本”との内容紹介があります。

ざっくりと絵本のストーリーを説明すると、主人公である「りょうたくん」は食べ物の好き嫌いが激しい男の子。特に野菜が嫌いなようです。晩ごはんに出てくるピーマンも、もちろん大嫌い。

そんなある日、りょうたくんの目の前に「小さなりょうたくん」が現れ、りょうたくんの嫌いなピーマンを食べてくれました。ママはりょうたくんがピーマンを食べたと勘違いし、りょうたくんを褒めます。味をしめたりょうたくんは、嫌いな食べ物をどんどん小さなりょうたくんに食べさせるようになり、いつしか小さなりょうたくんは、本物のりょうたくんよりも大きくなってしまったのです…。その後の展開は、子どもにはかなりショッキングな内容に。大人でも恐怖を感じる内容となっています。

怖い絵本と言えばコレ!? 『ねないこだれだ』

パパやママが幼い時にあった怖い絵本と言えば、『ねないこだれだ』が有名。子どもの頃に読み聴かされ、怖い思い出が残っている人もなかにはいるかもしれませんね。1969年に出版された『ねないこだれだ』は、今も多くの読者に愛され続け、2015年には累計売上268万部を記録。ロングセラーの絵本です。

絵本の絵はすべて“ちぎり絵”で表現され、その独特なちぎり絵のタッチも、子どもたちの恐怖心をあおったことでしょう。しかし、もっと怖いのは絵本の内容。夜遅くまで起きている子どもを「お化け」がさらいに来て、そのまま連れ去って行ってしまうというもの。連れ去られた後の結末は描かれていないようで、ハッピーエンドには程遠い内容になっている絵本です。

絵本なのになんで怖い? その理由は

絵本と聞くと、子どもを寝かしつけるためにママが読んだり、子どもと一緒に楽しんで読んだりするのを想像しませんか? しかし、『たべてあげる』や『ねないこだれだ』は、子どもを怖がらせる絵本。いわば「しつけのための本」と言えるでしょう。わざと怖い絵本にしている理由は、子どもにしっかりとした食生活や睡眠のリズムを作ってほしいという作者の願いなのかもしれませんね。

ほかにも数多くある「怖い絵本」。しかし、ただ子どもを怖がらせるために作ったのではなく、健やかに育って欲しいというメッセージが込められている絵本も多いようです。パパやママが子どもの頃に読み聴かされていた怖い絵本も、大人になった今改めて読んでみたら、新たな発見があるかもしれませんね。
(文・山本健太郎/考務店)