【現役エンジニアが解説】男子中高生のなりたい職業1位 ITエンジニアって何する仕事?

第869回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
ソニー生命保険株式会社が今年3月、全国の中高生1000人を対象に実施した調査によると、男子中高生がなりたい職業は話題のYouTuberやスポーツ選手をおさえて、第1位がITエンジニアだったそうです。一部ではドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の影響では? とも言われていますが、そもそもITエンジニアって何をするお仕事なのかピンとこない人も少なくないのでは? 2020年にはプログラム教育も小学校に導入されることで、現在注目の職業を集めているだけに、気になっているママパパも多いはず。実は私、本業はフリーランスのプロジェクトマネージャーであり、エンジニア。それぞれの違いを解説します。

●実は働いている本人達もよくわかっていないITエンジニアの区別

ITエンジニアといってもその業務は、「Webサイトを作成する会社」もあれば「ゲームソフトを作る会社」もあり、その仕事内容は千差万別。実際に社内でも明確にITエンジニアとその他の社員を区別できているところは決して多くはありません。


特に社員数の少ない中小企業では、「パソコンに詳しい人の集団」くらいの認識で扱われる事もあり、時にはパソコンが動かなくなったときにあちこちから声をかけられる、PCサポート要員になっていると言う悲しい体験を耳にすることも…。

●ITエンジニアの仕事は電子機器を使ってソフトを動かすこと

ITエンジニアが行っている仕事は、パソコンなどの電子機器を使って、ソフトを動かすことです。その規模は様々で、スーパーコンピューターを使って人工知能を開発している人もいれば、指先ほどの小さなICチップで冷蔵庫の温度を調節するソフトを作る人もいます。

最近はITエンジニアというとWebサービスやスマートフォンアプリを作っている人が多いため、イメージしにくい場合はこれらを作っている人を想像すれば間違いは少ないかも?

●ITエンジニアの労働環境は?

ウェブサイト上の記事でよく見かけるのが、ITエンジニア同士のブラック労働環境自慢。残業時間が200時間を超えたとか、2週間家に帰っていない、なんて話も耳にします。

これらの体験談は、一概に嘘とは言いにくく、IT業界はかなり下請けを使う慣習が多くなっているのは事実。あまり社員を数多く抱えていない企業も多いため、大きなプロジェクトでは1社で人材をまかないきれない、なんてことなども理由としてあるのです。


そのため、何かを作りたい会社(発注元)と、実際にプログラムを作成する会社(下請け)が異なっていることから連携が上手く行かず、長時間労働が強いられてしまうというケースも少なくありません。


IT企業の外にいるとなかなかイメージしにくいITエンジニアですが、その仕事内容は最先端の人工知能開発から、会社のPCの環境整備まで様々。もしお子様がITエンジニアになりたいと言ったら、どんなものを作りたいのかを確認して、それを作るためにどんな技術者が関わっているのかを調べさせてみると良いかもしれません。
(文・姉崎マリオ)