クーラーボックスで助かった!もしも海で漂流したらウキになるものは

第886回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
すでに全国のビーチでは海開きしている場所も多く、土日に海水浴や潮干狩り、釣りなどを楽しむ人も増えています。しかし、くれぐれも水の事故にはご注意を。先日大分県佐伯市では男性が磯釣り中に海に転落。約70分間漂流したものの、奇跡的に男性は無事救出されました。

●救出された男性をの命運を分けたのはクーラーボックス

海に転落し漂流した男性が助かったのは、救命胴衣を着用したうえで、浮力のあるクーラーボックスを抱えていたから。佐伯海上保安署は毎日新聞の取材に対し、「自らの力で泳ごうと体力を使うよりも『浮くこと』を考えて体力を温存させて救助を待つことが何よりも大切だ」と回答しています。荒波をかき分け、また、波の力にはむかって着衣で岸まで泳ぐことはとても体力を使う行為。そのような環境下では、いかに鍛えている人であっても、そう長く泳いでいることはできません。発見されやすいよう、海面に浮いていることがとても大切なのです。

クーラーボックス

●もしもクーラーボックスがなかったらウキになるものは…?

今回はたまたま磯釣り中ということでクーラーボックスを持っていましたが、仮にクーラーボックスがない場合、どのような物を持つべきなのでしょうか? もし、近くに浮いていれば、1.5リットルのペットボトルやビニール袋は浮力が高く、ウキにすることができます。その他、ビーチボールや閉じたビーチパラソル、またズボンのすそを結んで空気を入れることで浮輪代わりにもなります。少しでも浮力を身に着け、楽に浮いていられるよう、漂流した際はバタバタと手足を動かさず、何か浮くものにつかまりましょう。

ちなみに、海に漂流して助けを待っている間の姿勢は、大きく息を吸い、水面にあおむけになるようにして体を大の字に。この時、服や靴を脱いではいけません。靴はウキの代わりにもなり、服はある程度体温を保つ役目を果たしてくれます。

海に漂流した際は、「浮いて待て」がキーワード。このキーワードは、生存率を高める合言葉として、日本語のままアジア諸国にも広がっています。事故がないことが一番ですが、万が一事故が発生したときにも冷静に対処できるよう、海や川での遭難時の対応を学んでおきましょう。
(文・団子坂ゆみ/考務店)