おうちのPCは大丈夫?ランサムウェアの被害続出

第887回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
週末から世界中で猛威を振るったランサムウェアのせいで、会社のパソコンが起動せず仕事ができないという人も多いようです。マイクロソフトはこれに対し、緊急のアップデートを配布したほどの大騒ぎですが、ランサムウェアとはどんなものなのでしょうか?

●ウイルスとは違うの?ランサムウェアの正体

ランサムウェアはコンピューターウイルスの一種で、色々な方法でPCに感染し、感染したPCに悪影響を及ぼすソフトウェアです。普通のウイルスと異なるのは、ランサムという言葉が身代金という意味であることからわかるように、身代金を要求するという点。

身代金を要求されると言うことは、人質がいるということ。ランサムウェアに感染すると、PCの中にあるExcelやPhotoshop、その他有名ソフトで作成したあらゆるファイルが、勝手に暗号化され、開くことができなくなります。これらのファイルを元に戻して欲しければ、身代金を払えと要求される、というわけですね。

ランサムウェア

●怪しいメールを開かなければ問題ない?

ウイルス対策として、怪しいメールを開かなければ大丈夫とよく言われますが、今回猛威を振るっているランサムウェア「Wanna Cry」は、感染経路としてWindows8.1以前のWindowsにあった不具合を利用しているとのこと。同じWi-Fiに感染したPCが繋げられたら、怪しいメールを開いたり、怪しいサイトを開いたりしていなくても感染してしまう可能性があります。

これを受けて、マイクロソフトは緊急のアップデートを配布中。こちらのアップデートを適用すれば、感染することはないので、対策としては真っ先にWindows Updateを実行することがオススメです。

●何故こんなに広がってしまったの?

過去にも世界的に広まったウイルスはいくつかありますが、Wanna Cryがそれらの中でも爆発的に広まった原因として、感染対象が古いWindowsであると言うことが大きいと考えられています。Windows XPやVISTAはマイクロソフトのサポートが終了しており、セキュリティに問題が見つかっても、もう対応はしないとされていたため、先日の緊急アップデートまで、この問題が放置されてしまっていたのです。

それでも古いWindowsはWindows 10などにバージョンアップされることなく使われ続けてしまい、Windows 7などサポートされているバージョンでも、Windows Updateを適用しないままだと不具合を持ったままになり、簡単にPCに感染することができる状態を放置していたケースが世界中にたくさんあったと言うことのようです。

感染してしまったら、身代金を払うかPCを初期化するくらいしか手の施しようがない厄介なランサムウェア。日頃からWindowsのアップデートは常に行い、感染しないようにする対策が大事なようです。
(文・姉崎マリオ)