お祭りが多い年だから知りたいお神輿のルールとマナー

第888回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
今年、東京では江戸三大祭りの神田祭が終了し、この後、三社祭や山王祭・深川祭も開催され、東京は賑やかな夏を迎えそうです。お祭りといえば、目立つのはお神輿の存在。威勢の良い掛け声とともに、大きなお神輿が街を練り歩く姿は何とも壮観で、気分をすがすがしくもさせてくれます。

●ところでお神輿って誰でも担いでよいものなの?

街ゆくお神輿を見ていると、「ちょっと私も担いでみたいな…」と思う人も少なくないのでは? 私も気になって、お神輿が目の前を行きかう際に、係の人と思しき人に担いでよいものなのか尋ねてみたところ、「お神輿は、その町内に在住・在勤、もしくはその知り合い・縁者か、神輿会の人しか担げない」とのこと。

詳しく調べてみると、お神輿というものは、1丁目町会、2丁目町会など、町の町会ごとに所有していることが多く、基本的にはその町に住む人や勤める人が氏子(氏神が守るとされる範囲に生まれた人のこと。または、その土地にある神社に対して宗教上の帰属関係を持つとされる人のこと)として担ぐのがならわしのとのこと。しかし、最近では少子高齢化に伴い氏子だけでは重いお神輿が上げられないということも多く、外部から神輿会(神輿を担ぐことが好きな人たちが集まった同好会のようなもの)を招き、担ぐことも多いのだそうです。ゆえに、お神輿を担いでいるから、まったく関係のない外部の人間もその場で担いでよいかというと、それはまた別の話ということ。

お神輿

●もしもお神輿を担ぎたいならば事前に登録を

では、もしもお神輿を担ぎたい場合はどうすれば? 先ほどの係と思しき人に聞いたところ、「担ぎ手を募集している場合は、事前に掲示やインターネット上で応募があるので、そこから応募してほしい」とのこと。確かに、インターネットで「担ぎ手 募集」などと検索をすると、いくつかお神輿の情報が検索結果にあらわれます。自分の町会が募集しておらず、お神輿を担ぎたい場合は、こうした外部の町会にアクセスをとるか、神輿会に加入するという方法が一般的のようです。

ちなみに、せっかくなので、前述のお神輿周りにいた係の人にあれこれ質問してみると、その他お神輿にはいろいろなNG行為があるらしい。

・「担いだ状態から勝手に抜けてはいけない」…みんなで担いでいるものなので一人抜けることで担いでいる人たちの負担があがってしまう。自分と交代する人を見つけて入れる。
・「上から見てはいけない」…お神輿は神様が乗っているので、神様より高い位置から見てはいけない。
・「お神輿を落としてはいけない」…前述と理由は同じ。

など、見ている分にはわかりにくいけれど、実は細かなルールのなかで担がれているとは驚き! 子どものお神輿の場合は、そこまでルールを厳密にすることは少なく「一生懸命楽しんで担げればOK!」と係の人は話します。

各町会でルールも異なるとのこと。お神輿を担ぎたいと思ったら、その町会の人に詳しい話を聞いてみるが吉。ルールとマナーを守って、お祭り騒ぎを楽しみましょう!
(文・若睦坂ゆみ/考務店)