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「こうのとりのゆりかご」開設から10年。助産師として思うこと 

「こうのとりのゆりかご」開設から10年。助産師として思うこと
~ベビーカレンダー~

こんにちは。助産師のREIKOです。先日、こうのとりのゆりかご(いわゆる赤ちゃんポスト)が設置されて10年というニュースがありました。


こんにちは。助産師のREIKOです。先日、こうのとりのゆりかご(いわゆる赤ちゃんポスト)が設置されて10年というニュースがありました。

赤ちゃんポストの記事を読む 

 

このニュースを聞いて、救われた命のこと、受け入れる病院のスタッフのこと、そのほかいろいろ考えることがありました。

 

相談の8割が「妊娠、避妊」「思いがけない妊娠」に関すること

慈恵病院では赤ちゃんポストの取り組みがクローズアップされがちですが、それ以外にも電話相談「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」​という取り組みをしています。熊本市の発表によると、昨年度の相談件数は過去最高、赤ちゃんポストの運用が始まった当初に比べて約13倍にもなっているそうです。

 

「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」​に寄せられる相談の多くは、「妊娠、避妊」「思いがけない妊娠」に関する相談が8割を占めていました。相談者の年齢も20代が最も多く、次いで10代が多かったそうです。そして、10代の相談のうち、15歳未満が43件あったとのこと。相談者全体の約4割が未婚でした。

 

高齢妊娠だけでなく10代の妊娠も……

15歳以下ともなるとまだ生殖器の発達が未成熟のため、妊娠やお産の経過でも異常をきたしやすいといわれています。若くして妊娠するケースは、思いもよらない妊娠のことが多く、経済的にも余裕がなかったり、誰にも相談できないといった理由から、妊婦健診を一度も受けないという方も多いです。

 

そのため、一定の年齢の定義はないものの、ハイリスク妊娠の基準として、「18歳未満」としている産院が多く、日本産婦人科学会では20歳未満を思春期妊娠として定義しています。

 

10代でも妊娠・出産のかたちはさまざま

私が助産師として働いていたときにも、10代のママに出会う機会は多々ありました。周りの方の協力を得て、前向きに育児に取り組んでいるママは、若いということもあってか、お産の経過も産後の回復も順調でやっぱり10代!と思える方が多かったです。

 

その一方で、一度も健診を受けずに自宅で出産されたというケースも少なくありませんでした。まったく妊娠に気付いてなかったというケースもありますが、ご本人は妊娠には気付いていたけれど、「どうしていいかわからなかった」ということが多かったように思います。

 

妊娠に気付かなかったときのQ&A

「妊娠に気付かなかった」ことに関して、ご本人も一緒に生活していた方も同じように答えることが多いように思います。

 

Q:おなかが大きくなったなとは思いませんでしたか?

A:ちょっと太ったかなとは思っていました。もともと太り気味だったので……。

 

Q:おなかの中の赤ちゃんが動いているのには気付きませんでしたか?

A:もともと便秘気味で腸が動いているのかと思っていました。おなかが痛くなったのも便秘のせいかなって。

 

Q:生理が何カ月も来なくて心配ではありませんでしたか?

A:もともと生理不順で何カ月も生理が来ないので不思議に思いませんでした。

 

一緒に生活していながら、生理が何カ月も来ない状況に気付かないことってあるのだろうか?と、スタッフとよく話していました。

 

もっと自分のからだに関心を持ってほしい

ご本人にとって生理不順や便秘など、日常生活に大きな支障をきたすようなできごとではないのかもしれませんが、このような答えを聞くたび、「もっと自分のからだに関心を持ってほしいな」と思います。自分自身の健康やからだの変化、いっしょに暮らしている方の変化に少し意識を向けるだけでも状況は変わるかもしれません。

 

助産師は妊娠・出産の場以外に、女性の健康教育や「命の教室」のような、性教育の場面でも活躍しています。助産師一人ひとり、自分なりの使命感をもって活動していると思いますが、やはり母子の健康、生まれてくる赤ちゃんの幸せを思う気持ちは同じです。

 

 

子どもを産み、育てるということについて、日本ではまだまだ課題がたくさんあります。今回、触れた「こうのとりのゆりかご」も、そのひとつにすぎません。ですが、少しずつでも課題がクリアされるといいなと思います。(TEXT:助産師REIKO)

 

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