スポーツの練習前後や試合前後には何を食べさせる?

第2回 スポーツする子をママが食事でサポートする方法!
子どもがスポーツの習い事をしていたり、運動部に入っていたりすると、その頑張りを食事でバックアップしてあげたいと考えるママは多いもの。

特に迷うのは、土日などに長時間の練習があるときや、大切な試合の前など。空腹になってしまってはかわいそうだし、お腹がいっぱいすぎると動けなくなりそうだし……。

そんなときにはどんなものを食べさせれば良いの? 「アスリートフードマイスター」2級を取得している鰐川(わにがわ)せりなさんは言う。

「試合の日のスケジュールは、流動的なこともしばしば。慌ただしかったり、緊張感もあったりするため、消化の良いものがオススメです。ごぼうやレンコンなどの食物繊維の多い根菜類や、きのこ、海藻などは避けたほうがベター。消化に時間がかかってお腹がゴロゴロしたり、緊張と重なりお手洗いが近くなったりするリスクを避けます」(鰐川さん 以下同)

●お弁当以外の軽食を用意するのがおすすめ

試合の日には、合間の短時間でエネルギー補給を済ませなければいけないことも多いため、お弁当のほかに軽食を用意することも多いそう。

「私の場合、片手でパパッと食べられるおにぎりの中に、スポーツをする子が意識的に摂取したいカルシウムやタンパク質、鉄分、ビタミンといった栄養素を含む具材を入れてしまいます。豚ヒレのしぐれ煮や、ほうれん草と桜エビの煮びたし、ドライパセリと炒りしらすなどいろいろなバリエーションがあると飽きません」

また、同じく片手で食べられるイングリッシュマフィンバーガーもオススメ。チーズや肉、目玉焼き、トマトを一緒に入れたりするのも定番とか。

「イングリッシュマフィンは、脂質が少ないパンで、消化の負担が少ないんです。使い勝手もよく、わが家ではさまざまな具材を挟んでいただくバーガースタイルが人気メニューです」

お弁当

●コンビニを利用して、ママの負担増になりすぎないように

一日がかりの試合のときには、ママも会場まで送って行ったり、一緒に行って応援・お手伝いしたりすることがある。その上、出発前にお弁当作りまでするとなると、正直、頭が痛いときもあるけど……。

「時間がないときは、コンビニを利用するのも良いですよ。暑い時期のお弁当づくりでは衛生面に不安がありますが、その点がクリアできるのはうれしい限り。冷やしうどんにサラダチキンや半熟たまごを組み合わせる、鮭のおにぎりやチーズ、カットフルーツなどをプラスして、バランスよく召し上がっていただけたら」

また、お昼ご飯のほかに、コンビニなどで軽食や補食になるものを買っていくのもおすすめだという。

「軽食、補食としては、消化の負担が少なくて、エネルギーに変わりやすいものがぴったりです。例えば、大福やあんころもち、きなこもち、みたらしだんご、ようかん、どらやき、プリンなど。フルーツでは特にバナナがオススメです」

次の試合まで1時間以上あるときは、パンやおもちなど、消化の良い固形物ならOK。また、試合直前にはエネルギーの「上乗せ用」として、試合直後には体力の「回復用」として、果汁100%のジュースを常備しておこう。

ちなみに、試合前にはゲン担ぎで「とんかつ」を食べさせる家庭もあるが、揚げ物は消化に時間がかかることや、緊張から胃腸の働きが抑制され消化不良となるリスクを考慮して避けた方がいいのだとか。

また、お寿司やお刺身などの生モノも、消化を考えて、また念のため食中毒のリスク回避のためにも試合前日は避けておこう。

お弁当もすべて手作りで、応援やお手伝いも……と意気込んでしまうと、ママがダウンしてしまうことも。手を抜けるところは上手に抜いて、必要なものを効率よく食べさせることを考えることが大切なのかも。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

鰐川せりな
アスリートフードマイスター
野球選手を夢見る四兄弟のためにアスリートフードマイスターとなる。長男の骨折からの早期復帰を目指し、計画的な食事管理を実施。食育講座や個別相談、コラム執筆を行う。
野球選手を夢見る四兄弟のためにアスリートフードマイスターとなる。長男の骨折からの早期復帰を目指し、計画的な食事管理を実施。食育講座や個別相談、コラム執筆を行う。