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本当に学校に行かないといけないの? 教育基本法や「自宅学習」について調査してみた 

本当に学校に行かないといけないの? 教育基本法や「自宅学習」について調査してみた
~クリスクぷらす~

日本では、小学校入学から中学校卒業までの9年間が義務教育期間と定められている。

しかし、アニメや小説など物語の世界で、お金持ちらしい登場人物が自宅で家庭教師のもと勉強し、学校には通っていなかったり、島に住む主人公が普段は自宅で勉強し、たまに船で学校に行ったりする場面を見たことがある。あれは外国だからOKなのか? 不登校とは違うのか?

気になる「自宅学習」を調査するとともに、改めて教育制度や勉強について考えてみた。
 

義務教育は「保護者が子どもに教育を受けさせる義務」

日本の義務教育は、1872年に発された「学制」が原点だ。いくつかの段階を経て、現在は憲法と、1947年に公布された教育基本法で「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う」(第4条)と定められている。

注目したいのは、「保護者が教育を受けさせる義務」であって、「子どもが教育を受けなければならない義務」ではないこと。子どもが教育を受けることは、義務ではなく権利なのだ。
 

義務教育と就学

学校に通う「就学」については、「保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う」(学校教育法第17条第1項)、また「子が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う」(同条第2項)と定められている。

ちなみに文部科学省は、インターナショナルスクールやフリースクールなどへの就学については「就学義務を履行していることにはならない」としている。自宅で教育を受ける「自宅学習」についても同様であろう。

▼小・中学校への就学について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/
 

海外の義務教育と就学は?

海外では、
・子どもの義務教育を、家庭を中心とする私教育の場、国公立学校、私学のうちのどこで行うかを選ぶ権利を親に認める国(イギリス、フランス、イタリア、北欧など)
・国公立学校だけへの就学を認める国(旧社会主義国、アフリカの一部の国など)
・国公立学校または私学への就学義務を認める国(ロシア、ポーランド、ハンガリー、チェコ、中国など)
・就学義務制を原則としながら例外的に教育義務を認める国(アメリカの各州)
などさまざまだ。

▼各国の義務教育制度の概要(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05082301/018.htm
 

義務教育の定めの中で、不登校はどう扱われる?

義務教育である小中学校だが、年間30日以上欠席する「不登校」児童は全国に12万6千人(H27年度文科省調査)。小中学校に通わなかった場合、卒業はどうなるのだろうか。

2016年6月17日に、文部科学省は「保護者による虐待や無戸籍など特別な事情があれば、小学校を卒業していなくても中学入学を認めることが適当」だとする通知を都道府県教育委員会などに出している。

こうした特別な理由がない場合の卒業についての対応は、各学校によって異なるのが現状のようだ。
 

小中学校に行く以外の選択肢は?

国公立の小中学校に行く以外に、文部科学省令に従い所轄庁に認可された私立の学校に通うことも可能。また、国公立の学校に通っていて不登校状態になった場合、自治体によっては、不登校児が通う専門のスペースを用意してもらえることもあり、そこに顔を出すことが「出席」とみなされる場合も。

前述した通り、学校教育法が定める「就学義務」を履行していることにはならないが、インターナショナルスクールやフリースクールなどに通う子どももいる。また、自宅で勉強する「自宅学習」「ホームスクーリング」という教育スタイルを採る人たちもいる。
 

自宅学習、ホームスクーリングのメリット、デメリット

実際に、5人の子ども全員が自宅学習で育ったという母親から話を聞いた。

――ご家庭で実施された「ホームスクーリング」はどのようなものですか?

家庭の中で親が先生となる教育法です。学校に通うことを否定するわけではないのですが、子どもをある程度、家庭の責任で教育してから外の世界に触れさせても遅くはないのでは、という考え方ですね。

――具体的にはどのような内容でしょうか?

我が家では、起床時間と朝食の時間が決まっており、その後は掃除。それから、午前中いっぱいは勉強の時間にあてていました。午後からは外での学習ということで、運動したり図書館に行ったりするほか、音楽や美術などの芸術活動や、習い事などの時間としていました。

――子どもたちの反応がどうだったか教えてください。

夏休みをホームスクーリングのお試し期間にしてみたところ、子どもたちの反応がよかったような気がしました。それで、次年度の4月から本格的にホームスクーリングを始めたいなと考えたのですが、夏休み明けに、長男が「僕、もうホームスクーリングで勉強したい」と言い出しました。それで、私が教えられることは教えたり、図書館で株や経済の本を借りてきて子どもが自分のやりたい勉強をしたりして、以前とはうってかわって猛烈に勉強し始めました。それまでは学校の勉強に魅力を感じられなかったのだと思います。その後、高卒認定試験を受けることになり、教科書の勉強に戻るまでには時間がかかりましたが、長男が勉強することの楽しさを思い出すための時期であったと思います。

――義務教育期間中だったと思いますが、学校の手続きなどはどのようにしたのでしょうか?

上の子ども3人は学校に行っている状態からホームスクーリングに移行したので、卒業式には出ました。下の子ども2人は、小中学校の入学手続きはしましたが、入学式には出席しませんでした。卒業式後の会場や校長室で卒業証書をいただきました。

普段は、先生が月1回程度様子を見に家に来てくれていました。ただ、それぞれの学校の校長先生の方針にもよるようです。私たちは幸い、説明し、理解を得ることが出来たのだと思います。子ども本人が望むなら体育や美術などの希望の授業に出られるよう協力しますよとも言われましたし、運動会や遠足や修学旅行といった行事にだけ参加するのでもよいとも。一方、厳しい意見をされる学校もあるようです。

学校に入る手続きはしているので、教科書はいただいていました。しかし、子どもがなかなか興味をもってくれなかったので、教材や勉強法などいろいろなものを試しました。この勉強法、教材はこの子にはぴったりはまったけど、この子には合わないと、それぞれの子どもやタイミングによって使い分けていました。

――自宅学習、ホームスクーリングのメリットとデメリットについて、どう考えますか?

あくまで我が家にとってのメリットですが、子どもたちそれぞれの個性を伸ばすことができたことがよかったです。そして、自分の興味あることを存分に勉強できたこと、勉強が好きという意識を持てたことが大きかったと思います。自分のペースで集中して勉強することを身につけることが出来たことは本当に良かったです。

ただし、どこのご家庭にもお勧めできるかというとむずかしいところもあるかと思います。親と子どもの1対1で、長い間続けていくと煮詰まって立ち行かなくなることもあります。協力者がいたり、身近に同じ考え方のコミュニティがあることが理想です。

自宅学習、ホームスクーリングを始めるのは、学校を選ぶことと同じだと思っています。公立の学校を選ぶ人もいれば、大学の付属の学校に行く人もいる。アメリカンスクールに行く人もいる。我が家にはこのスタイルが合っていたということ。子どもたちが自分の選んだやり方で自立した生活をしてくれればうれしいです。
 

まとめ

インターネットの発達した社会で、これから「教育」はますます多様化していくだろう。義務教育の本来の目的は子どもたちが自分で生きる力を伸ばす基礎を身につけるためのもの。十二分にそれを得るには、それぞれに合った学び方を選ぶことが大事になってくることと思う。今回紹介した自宅学習は、そのひとつの形なのか? 今後も注目し、考えていきたい。

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