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親が子の【ジェンダーロール】を決めるのは極めて危険!
~子どものLGBT~

「親の過剰な期待や完ぺき主義、偏った考え方や過保護による支配が、時にわが子のジェンダーロール(社会的な男女の性役割)に影響を及ぼすこともある」と語るのは、『孤独な世界の歩き方〜 ゲイの心理カウンセラーの僕があなたに伝えたい7つのこと 〜』(イースト・プレス)を出版した、ゲイの心理カウンセラー・村上裕氏。男の子なのに妙に女の子っぽい一面を見せる…など、「この子はストレートではないのかしら?」と不安になるママもなかにはいるだろうが、実は上記で挙げたような子育てが子どものジェンダーに関与しているのかも¡?

●親の完ぺき主義が子のジェンダーロールに影響を及ぼす?

うちの子は男の子なのにどこか女の子っぽいしぐさを見せる、もう中学生なのにいつまでも男友だちとベタベタしている、女の子なのにボーイッシュな服を好む、男の子に興味がなさそう…など、親として気になる様子が見え隠れし、気になって悩むママもいるかもしれない。そもそもLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった表現)には様々なケースがあり、気になることがある場合は、プロによるカウンセリングが望ましいが、本来はLGBTではないけれど、親の完ぺきな子育てからはみ出そうとする子に、LGBTと間違えられやすい言動が表れるケースも存在するという。

「本来は異性愛(ストレート、ヘテロセクシュアル)な男の子や女の子で、親からの過剰な期待や完ぺき主義によって元々のその子らしさが抑圧されてしまい、その結果、中性的な状態になるというケースがあるのをご存知でしょうか。社会的地位のある厳格なご家庭や、ご両親が保守的な場合、“女性はこうすべき、男性はこうすべき”というジェンダーロールがありやすい。強く凝り固まった概念があるので、そういう家庭で育つお子様方は、例えば、“自分は(男or女)だからしっかりしなければならない、優秀でなければならない、頑張らなければならない、ハイセンスでなければならない、明るく人付き合いよくなければいけない”というようなプレッシャーを、親御さんの言動や態度から与えられる可能性が高いわけですね。そういう期待に応えるのは大人でも大変なことなのに、そのすべてを成長途中の子どもが背負えるわけがありません」(村上氏 以下同)

親が理想の人物像を押し付けようとすればするほど、子どもはそれに抗おうとし、その結果、気になる言動を生み出してしまうそう。

「親からの抑圧を受け、子どもらしく過ごせる時間を失ってしまうと、パーソナリティに偏りが出てきてしまうんですね。人はバランスを取ろうとする生き物。“男らしくあれ! 女らしくあれ!”と過剰に言われ続ければ、心のバランスを保とうとして親の要求の逆側に振れ、中性的な一面が表れる可能性があるのはごく自然なことと言えます。本来は親が子どもの個人を尊重し、子どもの自我が安定するなかで、お子様自らが社会的な役割や信念を自分で選んでいくのが健全な成長。“男性だからこうありたい、女性だがこうありたい“という本人のジェンダーロールは、親が決めつけて押しつけるのではなく、お子様本人が自由に選ぶべきことなのです」
ジェンダーロール
 

●親の自尊心の過大が子どもを苦しめる!

ジェンダーの問題だけではなく、「最近は、親の自尊心の過大が子どもを苦しめているケースをよく目の当たりにする」と語る村上氏。

「必要以上に子どもに介入したり、“あなたのためなのよ!”という意識で子どもを操作すことによって、親は自分の存在意義をたしかめようとするわけです。子どものことを親御さんが決めてしまうことによって、子どもは自分で決める能力を身に着けられなくなり、自分で幸せになろうとする力が育たなくなってしまう。そうなると、社会に出ても転職を繰り返したり、対人関係がつらくなったり、メンタル不全になりやすくなったりということがあります。親御さんが良かれと思ってやっていることが裏目に出て、お子様が本来持つべき“自分で生きる能力”を奪ってしまっているのです。これほど本末転倒な話はありません」

親の過保護が問われて久しい世のなかだが、村上氏は「そろそろこの悪循環に気づいてもいいはずだ」と説く。子育て真っ最中のママたちの価値観が変わらなければ、子どもたちの未来も変わることはない。親が良かれと思ってしていることが、子どもの人生にどれほどの悪影響を及ぼすのか…。母である以上は子ども個人を尊重し、わが子がどういう形でジェンダーロールを選んだとしても、決めつけをせず受容する姿勢を見せよう。親の柔軟で寛容な姿勢こそが、やがては子どもの幸せにつながると信じて…。

(取材・文/吉富慶子)

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