物忘れや失言はADHD(注意欠陥・多動性障害)の場合が
テレビやニュースでも近年話題になっている大人の発達障害。
ADHDは、注意欠陥・多動性障害といわれる、発達障害のひとつです。
不注意、じっとしていられない、思ったことを口にしてしまうなどから、職場や家庭において困難なことが起こります。
これは生まれつき脳の発達に障害があるため起こっているもので、治療で根本的に治すことはできません。
ただし、専門の病院などで診断を受け、まわりの人の支援や理解を受ければ、つらい状況を改善することができます。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人には、このような特徴があります。
◯片付けられないADHD(注意欠陥・多動性障害)は、物を分類する、使った物を元に戻す、順番に片付けるといったことが苦手です。
職場のデスクや自宅の部屋が汚い人も多く、本人が片付けようと努力しても、できずに自分を責めてしまいます。
引き出しだけなど、小さいスペースから片付け始めるとできるようになります。
◯お金の計算ができないついつい衝動買いして散財してしまうのも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴のひとつ。
買い物はリストにしておきそれ以外は買わない、クレジットカードや大金は持たないなどの工夫でトラブルを予防できます。
家族にお金を管理してもらうのも手です。
◯空気が読めないADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴である「衝動性」は、物事を深く考えずとっさに行動してしまうもの。
そのため、人との会話においても、相手を傷つける言葉を言ったり、まわりをしらけさせることを言ってしまったりします。
思いついたことは、ひと呼吸おいてから発言するようにすると、改善できます。
◯約束が守れない順序立てて物事を考えられないのも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴のひとつです。
スケジュールが立てられない、作業を効率良く順序立てて行えない、納期を守れない、アポイントメントを忘れるなどといったことが起こります。
予定はまわりの人にチェックしてもらいながら考える、視界に入るところにメモを貼るなどで対策が可能です。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人の快適な働き方とは
もし、病院を受診してADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されたらどうする?
職場の人に自分の特性を理解してもらえれば、お互い快適に働くことができるようになります。
例えば、仕事を順序立てて行うのが苦手なら、その部分をサポートしてもらえば、あとは自分で作業することができます。
パソコンの「TO DOリスト」やアラーム機能を利用したり、同僚にミスがないかチェックしてもらうだけでも、ずいぶん仕事がスムーズになるはずです。
今の仕事が合わないからと転職すると、さらにストレスになる場合があるので、あまりおすすめはできません。
ただし、もしADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されても今の職場で自分がADHD(注意欠陥・多動性障害)だということを伝えるのは勇気がいるかもしれません。
全国のハローワークでは障害者のための相談窓口を設け、仕事や働き方の相談も行っています。
気になる人は、一度たずねてみましょう。
執筆/監修:株式会社からだにいいこと