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胸の痛みから考えられる13の病気と対処法。緊急を要する症状は?

第511回 いまトピママ
心臓や肺など、大きな臓器がある胸部。
胸が痛くなると、大きな病気では?と不安になります。
どんな痛みの時が危険なのか、受診する科についてまとめました。

どんな痛みか医師に説明できるとベスト

胸や胸の近くが痛い時に考えらえるのは、心臓や肺のほか、消化器官の病気です。

激痛が起こったら、すぐに病院に行く必要がありますが、具体的にどのようなタイミングで、どのような痛みが、どこに起こったのか、医師に説明できるようにしておくと、診断しやすくなります。

<狭心症>

突然の胸の痛み、胸の奥が痛い、胸が締め付けられる、胸が焼けつく、時には背中の痛み、のどの痛みなど。痛みは、強いとは限らない。

発作的に胸の痛みや圧迫感などの症状を起こす病気。

血管内腔が狭くなることにより、心筋に十分な血流・酸素が送り込めない時に胸の痛みが起こります。

血管狭窄の原因の大多数は、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧などに引き続いて起こる動脈硬化。

特に糖尿病の患者さんは、病変の重症度に比べて、症状を軽く感じることが多く注意が必要です。

治療法は、薬物療法、経皮的冠動脈形成術(カテーテルインターベンション)、冠動脈バイパス手術の3つがあり、どの治療を選択するかは、患者の年齢、症状、合併症の有無、病変の形態などにより異なります。

発作がすぐにおさまる時は、数日以内に循環器科または内科へ。

発作がすぐにおさまらない時は、救急の処置が必要です。

例えば、発作が5分以上続く、1日に何度も繰り返したり発作の頻度が増えてきた時、冷や汗を伴うような強い痛みを感じた時など。

非常に不安定な状態のため、途中で病状が急変する場合も。

救急車を要請すべきか救急病院と相談し、その指示に従ってください。

<急性心筋梗塞>

胸部の激痛、締めつけられるような痛み、圧迫感など

心臓を養う冠動脈の動脈硬化により血管の内腔が狭くなり、血液の流れが制限されて生じます。

冠動脈が閉塞すると約40分後から心内膜側の心筋は壊死に陥ります。これが心筋梗塞です。

胸痛の部位は前胸部、胸骨下が多く、下顎、頸部、左上腕、心窩部(しんかぶ)に放散して現れることもあります。

要因は、高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、痛風、中性脂肪、運動不足、精神的ストレスなど。

治療には、すみやかに詰まった冠動脈を開通させる治療が必要です。

基本的には、入院して数日間の安静・絶食で治療を行います。

重症な病気なので、救急車で専門医の診療を受けることが大切です。

<大動脈解離>

突然の激しい胸や背中の痛み、手や足の激しい痛みが突然に現れてくることも。

大動脈の壁に亀裂が入り、壁が内膜と外膜とに分離されてしまう病気。

日本人に多い疾患で、循環器疾患による突然死では、心筋梗塞に次いで2番目に多い死因とされています。

心臓から出るすぐ上の上行大動脈に大動脈解離がある場合には、緊急手術を。

大動脈解離が上行大動脈にない場合は、血圧を下げる内科的治療で対処できる可能性があります。

急性大動脈解離は、適切な治療を受けないと突然死する危険性が高く、専門的な病院で心臓血管専門医の集中的な治療を受ける必要があります。

<肺血栓塞栓症、肺梗塞症>

突然の胸痛、呼吸困難、頻呼吸など

心臓から肺へ血液を運ぶ血管である肺動脈に、血液の塊の塞栓子(そくせんし)、脂肪の塊、空気、腫瘍細胞などが詰まり、肺動脈の流れが悪くなったり閉塞してしまう病気を広く肺塞栓症といいます。

このなかで血液の塊が原因で起こったものを肺血栓塞栓症と呼び、肺塞栓症の大部分はこれにあたります。

肺血栓塞栓症は、急性期の死亡率が約10%と高く、救急の病気です。原因で最も多いのは、下肢(脚)の静脈内でできた血栓によるもの。

近年問題になっている、いわゆる「エコノミークラス症候群」もこのひとつです。

基本的な治療は、血液が固まらないようにする薬を点滴静注で使います。

重症の場合は、血栓を溶かす薬や手術やカテーテルで血栓を取り除く方法もあります。

死亡率が高い病気のため、突然の胸痛や呼吸困難が起こったら、できるだけはやく循環器内科や呼吸器内科を受診することが必要です。

<急性心不全>

激しい呼吸困難で発症、同時に咳と泡のような痰がでる

心臓のポンプとしてのはたらきが急速に低下して、全身の血液の流れが滞る状態。

血圧が低下する状態は心原性(しんげんせい)ショックといわれ、適切に治療をしないと生命の維持が困難に。

急性心筋梗塞や拡張型心筋症、心臓弁膜症、高血圧性心疾患、先天性心疾患、甲状腺機能亢進症などが最も多い原因です。

治療では、酸素吸入を行い、利尿薬、血管拡張薬、強心薬を投与します。

すぐに専門医のいる救急病院に入院することが必要で、呼吸の状態が悪い時は、救急車による搬送を依頼してください。

<心筋炎>

発熱、鼻水、咳。軽いものでは、動悸や胸部不快感、心膜炎を合併すれば胸の痛みなど。

心筋自体に炎症細胞の浸潤(しんじゅん)が生じる病態。多くは急性で、まれに慢性で進行する人も。

ウイルスや細菌などの病原微生物の感染が原因になることのほか、原因不明の突発性の場合もあります。

原則として入院し、重篤な不整脈や循環動態の悪化がみられないかどうか、経過観察が必須です。

普段からウイルス感染にかからない努力が大切で、うがい・手洗いの励行と、インフルエンザウイルスが心筋炎の原因となることから予防接種も重要。

胸部症状を自覚する人は循環器専門医の診察を受け、心電図をとるのが診断の第一歩です。

<細菌性肺炎>

発熱、咳、膿性(のうせい)の痰、胸膜への炎症がある場合、胸痛も。

肺炎は、気管支より末梢の酸素と二酸化炭素を交換する肺胞と呼ばれる部位に起こる感染に伴う炎症、と定義されます。

肺胞は気道とつながっているので、同時に気管支炎も起こします。

細菌性肺炎というのは、その原因になる微生物が細菌であるという意味です。

治療は、軽症で通院が可能であれば経口薬の投与が、中等症以上で入院が適切だと思われた場合は注射による治療が選択されます。

咳と痰だけでは肺炎と気管支炎のいずれであるかは区別できませんが、発熱が高く、胸痛、呼吸困難などがあれば肺炎の疑いがあるので、すぐに医療機関を受診してください。

そこで診察し、X線検査を行い、重症度に応じて入院の是非や専門病院への転送などを判断します。

意識障害や呼吸困難がある重症肺炎の場合は、一刻もはやく医療機関へ。

<肺化膿症>

発熱、咳、膿性の痰のほか、胸痛など。

肺化膿症は、肺炎と同様に肺胞に細菌が増殖し、それに対して生体側の白血球を主とする炎症細胞や感染防御物質が集まり、炎症を起こした状態の感染症ですが、それに組織の破壊(壊死)を伴います。

その結果、肺に穴があき、その穴のなかに膿がたまってしまうのです。

黄色ブドウ球菌やグラム陰性桿菌(かんきん)による肺化膿症では、多くは症状が急激に現れます。

治療は原則、入院治療が必須。

誤嚥性肺炎なのか、血行性感染なのかを推定し、それぞれにあった方法で抗菌薬を選択します。

一般の肺炎より、長い治療機関を要します。

肺炎と同様ですが、高齢者や寝たきりの人などでは症状の発現がゆるやかで、倦怠感、食欲不振、体重の減少などの不定の症状だけの場合があり、注意が必要です。

<胸膜炎>

胸痛(深呼吸や咳で増悪するもの)。感染症が原因の場合、発熱も伴う。

胸膜とは、肺の表面をおおう臓側(ぞうそく)胸膜と、胸壁、横隔膜、縦隔(じゅうかく)をおおう壁側(へきそく)胸膜からなっています。

両胸膜に囲まれた部分が胸膜腔で、ここに胸水がたまる病気を胸膜炎と呼びます。

主に感染症、悪性腫瘍が原因。

治療は、細菌感染によるものは抗菌薬の点滴、結核が原因であれば抗結核薬を使用します。

悪性腫瘍が原因の場合は、胸腔ドレナージで、肋骨と肋骨の間から細いチューブを胸腔内に挿入し、器械で胸水を体外に汲み出し、胸水が減った時点で抗がん薬などを投与します。

深呼吸や咳で増悪する胸痛を自覚すれば、胸膜炎を疑い、早めに内科を受診します。

とくに喫煙者が胸痛などの症状を感じれば、悪性腫瘍によるものの可能性があるので、すぐ内科を受診しましょう。

<膿胸>

発熱、胸痛(深呼吸や咳で増悪するのが特徴)、咳など。胸腔内の膿が肺内にもれると、膿性痰が。

胸膜の感染症により、胸腔内に膿性の液体がたまったものです。

主に、肺炎や肺膿瘍(はいのうよう)が胸膜に広がり、細菌が胸腔内に侵入して発症します。

治療では、全身的な抗菌薬の投与と同時に、胸腔内の膿性胸水を排除します。

多くは2~3週間で治癒。

深呼吸や咳で増悪する胸痛を自覚し、発熱もあれば、早めに内科を受診します。

高齢者で発熱や胸痛があれば、この病気を疑い病院に連れて行きましょう。

<特発性食道破裂>

嘔吐反射直後、突然バットで殴られたような胸痛。

上腹部痛であることも。その後、胸内苦悶や呼吸困難、冷や汗が出てショック状態に。

特発性食道破裂はブールハヴィー症候群とも呼ばれ、主に飲酒後の嘔吐により食道内圧が上昇して、特に病的変化のない正常の食道が破裂するもの。

発症した場合、ただちに手術を行って胸腔内や縦隔をよく洗浄し、破裂した食道壁を2層に縫合して十分なドレナージ(ドレーンチューブを留置する)を行うことが必要です。

死亡する危険性も高いため、飲酒後の嘔吐に続き、強烈な胸痛を感じたら、すぐに大きな病院を受診しましょう。

<胆石症>

上腹部の違和感や腹部膨満感、腹痛、発熱など。無症状の人も。

肝臓で作られる消化液の胆汁が通る道を胆道と言います。

胆道に結石ができる病気を総称して胆石症と呼び、結石ができる場所によって、肝内結石、胆管結石(肝外胆管にできた結石)、胆嚢結石に分類されます。

胆汁中のコレステロールが増えると、結晶化してこれを核に結石ができます。

原因としては、高脂肪食や肥満、脂質異常症、糖尿病、妊娠など。

胆嚢結石に伴う何らかの症状がある人は摘出などの治療の適応となります。

無症状の方の多くは定期的な検査(年に1~2回程度の腹部超音波検査)を受ける経過観察に。その場合、脂肪分の食事を避け、規則正しい生活を送ることが大切です。

<急性膵炎>

みぞおちからの上腹部痛、背部まで広がることも。

鈍痛からじっとしていられないほどの激痛までさまざま。

いろいろな原因で活性化された膵酵素(すいこうそ)によって自分の膵臓が消化されてしまい、膵臓やその他の主要な臓器に炎症と障害が引き起こされる病気。

アルコールによるものが最も多い起因です。

治療には、絶飲絶食による膵臓の安静が必要です。

また、炎症による大量の水分が失われているので多量の輸液が必要になります。

日常にしばしば見られる一般的な病気ですが、ほかの病気に間違われることが多く、診断が遅れると命に関わることが。

上記のような症状が起こったら、まず消化器科を受診しましょう。

執筆/監修:株式会社からだにいいこと

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