キレイな円形に焼きたければ卵白を分離させる
では、目玉焼きをきれいに作る方法は…?
まずこだわりたいのは形。
どうやったら、あのキレイな円形を生み出すことができるでしょうか。
一番簡単なテクニックのひとつが、網を利用して、サラサラとした水っぽい卵白を分離する方法。
目玉焼きを作ってみると、絵に描いたようなきれいな丸ではなく、いびつな形になることはありませんか?
あれは、卵白の種類の違いによるものなんです。
卵白には、黄身の周囲を取り囲む濃厚卵白と、その周囲を取り囲む水様卵白があります。
濃厚卵白はある程度まとまり感を残したまま焼くことができるのですが、水様卵白はサラサラなため、自由な形になってしまうのです。
そこで、卵を割った際、あらかじめこの水様卵白だけを取り除けば、まあるくキレイな目玉焼きを作りやすくなるというわけ。
網ボウルなどの上で静かに割ると、水様卵白のみが下に流れ落ち、濃厚卵白だけを残すことができます。
黄身のキレイな黄~オレンジ色を出すためにはフタをしない
もうひとつ、目玉焼きの美しさのポイントには、あの黄身の美しい山吹色があります。
しかし、実際に作ってみると、黄身の上が白っぽく仕上がってしまうことも…。
あの山吹色を美しく保ちながら焼くためには、まず、火力を弱火にしてじっくり焼くこと。
もうひとつが、なるべくフタをしないで仕上げること。
水を入れてフタをして加熱する…という方法は有名ですが、フタをすることでフライパン内部で熱が対流し、黄身の上部からも加熱することになります。
こうなると、黄身の上部にうすく残った卵白などが先に熱凝固し、白っぽく仕上がってしまうというわけ。
きれいに仕上げたければ、時間をかけて弱火でじっくりを心がけましょう!
それでも難しければ玉ねぎを利用する裏技も…
また、裏技としては「玉ねぎを利用する」というテクニックも。
玉ねぎ1玉を横半分に包丁でカットし、一番外側の外皮をキレイにはがします。
すると、輪っか状のオニオンリングができますね。
あとは、このオニオンリングをフライパンにおいて、リングの真ん中のスペースに生卵を静かに割り入れ、じっくり加熱するだけ。
厚みのあるまあるい目玉焼きを簡単に作ることができます。
もちろん、加熱した玉ねぎもそのままいただくことができます。
じっくり作れば目玉焼きもご褒美に
たかが目玉焼き、されど目玉焼き。
時間に余裕がない朝食時はこだわらずに作ることも多いですが、たまにじっくり時間をかけて作ってみると、まるでホテルで提供されるような上品で美しい目玉焼きを作ることができます。
たまにはじっくり時間をかけて、極上の目玉焼きを味わう。そんな休日も贅沢かもしれませんよ。
今回の焼き方を是非参考にしてみてくださいね。
(文・団子坂ゆみ/考務店)