メディア個別 【教員からみたPTA】休日参加を強制するのはやめてほしい | なくならないPTA問題 抜本的解決のためにすべきこと | ママの知りたいが集まるアンテナ「ママテナ」

【教員からみたPTA】休日参加を強制するのはやめてほしい
~なくならないPTA問題 抜本的解決のためにすべきこと~

テレビなどでも教員の長時間労働が取り沙汰されることもあり、「学校はブラック企業だ」と指摘する声もあります。そういったなかで、教員はPTA活動に参加していることになりますが、PTAをどのように感じているのでしょうか?

教員の勤務時間は過労死ラインを超えている?

教員のPTA意識を調べる前に、勤務時間をまとめました。文部科学省の「教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について(概要)」によると、小学校教諭の1週間あたりの勤務時間は、平成18年度計で53時間16分に対し、平成28年度計では57時間25分と約4時間以上も増加しています。

さらに平成28年度計で、教諭の1週間あたりの勤務時間が60時間を超えている小学校は33.5%、中学校では57.7%。ブラック企業と揶揄されても仕方がない現状が、学校にはあります。

地方公務員である教員は、週8時間45分と勤務時間が定められています。そのため、前述の学校では週20時間以上、月80時間以上もの時間外労働をしていることに。80時間は「過労死ライン」とも呼ばれており、教員の長時間労働は解消しなければいけない問題といえます。
【教員からみたPTA】休日参加を強制するのはやめてほしい
 

他人の子どもより自分の子どもに触れあいたい

そんな教員がPTAに対してどのような思いを抱いているのか? 多くの教員にインタビューをしている「PTAをけっこうラクにたのしくする本」(太郎次郎社エディタス)の著者・大塚玲子さんに話をうかがいました。

「私がインタビューをしてきた先生のなかには、“土日くらいは自分の家族のために時間を使いたい。でもPTAのお祭りだから休日出勤せざるを得ない”と嘆く人や“保護者から先生たちもやってよと言われて正直困る”と声を漏らす先生もいました。保護者同様に、先生にもPTAを強制するのではなく、“参加したい”と言ってくれる先生には、ありがたく参加していただければいいと思います」(大塚さん)

教員のなかにもPTAに対して“やらされ感”を抱く人が一定数いるかもしれませんが、こういった考えを持つ人もいます。

「本校にはPTAがないため過去に見てきたことになりますが、教員のなかにはPTAに関わりたいと思っている人もいます。というのも、PTAに参加することは保護者とコミュニケーションがとれるメリットがあり、これに価値を見出している教員はとても多いです。また、本校の場合は、PTAに似た団体で保護者の会があり、教員としては、とてもありがたい存在です。保護者の会なら教員は参加しませんから、教員の負担はなくなりますが、やはりよりよい関係を築くには一緒に話したり動いたりすることが重要です。PTAならばその機会は確実に増えます」

そう話すのは、東京都の杉並区立和田中学校の校長・田中裕之先生。PTAや保護者の会は、学校をサポートする団体でもあり、教員の業務負担を減らす活動でもあるようです。また、そういった活動があるからこそ、いまの子どもたちへの教育の質を維持することができると田中先生は指摘します。

教員にPTA活動を押し付ける保護者やPTAに対しネガティブなイメージを持つ教員は、PTAの本来の目的を忘れてしまっているかもしれません。教員や保護者は「本当に子どもたちのためになる活動」を考える必要があります。

文部科学省は教員の業務負担軽減のために、2017年4月に外部から招いた人材の部活動指導員を学校職員にするという、いわゆる「部活動指導員」を学校教育法に基づく学校職員に位置付けることを決定。こうした取り組みによって、教員が今まで以上に子どもたちと向き合える時間が確保されることも重要だ。

周囲の理解や法の整備が進むなか、よりよいPTA運営や学校づくりにつながっていくのか。この流れが形骸化しないよう、引き続き注目しましょう。
(文・奈古善晴/考務店)

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