●汚れには酸性からアルカリ性までのpHがある
小学校の理科で、青色のリトマス試験紙を炭酸飲料のなかい漬けると、赤色になったという実験を、皆さんも覚えているでしょう。液体には酸性からアルカリ性まで、pHがあり、実は汚れもこれらのpHを知ることで、グッと楽に落とせるのだそう。
具体的には、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を。アルカリ性の汚れには、酸性の洗剤を使うとよいということ。そうなると、気になるのは汚れの種類とそのpH。調べてみました。
●お部屋の汚れのひとつとっても酸性からアルカリ性までさまざま
お部屋の酸性の汚れの代表格が、油汚れ。例えば、天ぷらや炒め物で飛び跳ねたキッチン周りの油汚れや、換気扇、レンジフードなど。その他、手すりや良く触る壁などに染み付いた皮脂の汚れも、酸性の汚れ。
これら汚れには、アルカリ性の洗剤の方が落ちやすいということ。代表的なものは、石鹸や重曹。石鹸の鹸とは、「あく(灰汁)」のことで、多くは油脂とナトリウムによってできています。
この原理は、洗濯や食器洗いも同様。だからといって、洗濯ものすべてを石鹸などアルカリ性洗剤で洗うのはご用心。素材によってはアルカリ性に弱い素材もあり、ウールやシルクはその代表格。洋服が傷んでしまいます。
では、アルカリ性の汚れの代表格は? その代表例が、水垢や湯垢、お風呂の石鹸カスやトイレの尿石など。これらをラクに落とせる洗剤の代表例は、酸性の洗剤はもちろんクエン酸などもそのひとつです。
最後にひとつご注意、洗剤の中には塩素系洗剤というものがあり、これはアルカリ性。塩素系洗剤と酸性の洗剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生するため、絶対に混ぜてはNG。また、掃除は換気の良い状態で行いましょう。
pHがわかると、掃除もグッと楽に。また、お風呂用やトイレ用、床用など、場所ごとに洗剤を買い替える必要もなくなるため、経済的にもエコ! おうちの汚れと、洗剤が正しい組み合わせか、一度確認してみてくださいね。
(文・掃除坂ゆみ/考務店)
※参考 太陽油脂株式会社レポート「汚れが落ちるしくみと汚れ落としのコツ」