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夏休み明けの子どもの自殺 親が注意するべきこと
~夏休み明けの自殺から子どもを守る~

18歳以下の自殺者数が突出して多くなる9月1日。この日は夏休み明けであり、二学期のスタートと重なります。このことからも子どもの自殺は、学校生活に対するストレスやプレッシャーが関係していると考えるのが自然でしょう。子どもによっては、いじめが再開することに絶望し、死を選んでしまったケースも考えられます。

そこで、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の須永祐慈さんに、夏休み明けの子どもの異変に親が気づくためには、どんな点を注視すべきなのか、また自殺の要因として無視できない「いじめに気付くためのチェックポイント」について聞きました。

●新学期に無理して学校に行く必要はない、「不登校上等!」な親のスタンスがいま求められている

須永さんによると、「初日から無理に学校へ通わせなくてもいい」と、まず親自身が心構えしておくことが大事だと言います。

「学校へ行きたくなさそうにする子どもに対して、心配のあまり『何で行けないの?』と理由を聞き出したくなりますよね。でも、子どもというのはストレスが溜まる波があって、とくに夏休み明けはそれが顕著に出やすいのです。親にしてみると、何とかしないと不登校になってしまうのではないか、と不安も募るかもしれませんが、まずは家庭のなかでお子さんが休める場所を確保して、寄り添ってあげてください」(須永さん、以下同)

以前にくらべると、最近は親自身が子どもの不登校に対して否定的な姿勢も和らいできたという須永さん。新学期のはじまりに何とか学校に行かせようとするのではなく、まずは子どもの心の波を理解することが大切だと言います。

「昔は、学校に行かないということが許されない風潮があって、布団をはがして、引きずってでも連れていくことが当たり前だった時代がありました。でも、最近は『そんなに苦しんだったら、行かなくても良いよ』と言う親も増えています。これは、学校に通うことが100%正しいという全体的な意識が徐々に変化し、多様な生き方を受け入れられる人が増えてきたという意味ではいい兆候です。とはいえ、親にしてみれば、夏休み明けに行きたくないと言って、それが不登校につながるんじゃないかと不安かもしれません。しかし、同時に今通っている学校に行かなくなったとして、その子が生きやすい場所を見つける方向で動いていただきたいです。それが分からないから不安で、学校に行って欲しいと思うようになる。その親の気持ちが子どもにとってさらに負担になることも考えられます」

義務教育の“義務”とは、本来は親が教育を保証する義務ですが、子どもが学校に通うことが義務であると認識している人もまだまだ多いと須永さん。

「そもそも“不登校”という言葉自体、学校に行くことが正解という、偏った生き方を押し付けていることに他なりません。もし子どもが夏休み明けに学校に行くのを拒み、それが不登校につながるかもしれないと不安に感じたとしても、多様な生き方があることを、親が理解しておくことが子どもの心を救うことにつながるのです。最近は学校外の居場所やフリースクールだって広がり始めていますし、各自治体も不登校支援に力を入れるところも出てきています。また、そのための法律も、今年制定されました」
夏休み明けの子どもの自殺 親が注意するべきこと
 

●いじめに気付くきっかけに、親が知るべきチェックリスト

また、自殺の要因として見過ごせないのは、学校でのいじめの問題。学校に行きたがらないのは、いじめをはじめとする、学校内での人間関係が子どもの負担になっていることが大いに考えられます。

「ストップいじめ!ナビ」では、親が子どものいじめに気づく際のチェックリストを独自に公開しています。全20項目のリスト参照することだけで、すべてのいじめを発見できるわけではありませんが、いじめ発見のひとつの指標として参考になる内容です。リストは次の通り。

<言動・態度・情緒>
1.学校へ行きたがらない。「転校したい」や「学校をやめたい」と言い出す。
2.ひとりで登校したり、遠回りして帰ってきたりする。
3.イライラしたり、おどおどしたりして落ち着きがなくなる。
4.お風呂に入りたがらなかったり、裸になったりするのを嫌がる。
5.部屋に閉じこもることが多く、ため息をついたり、涙を流したりしている。
6.言葉遣いが乱暴になり、家族に反抗したり八つ当たりをしたりする。
7.学校の様子を聞いても言いたがらない。友だちのことを聞かれると怒りっぽくなる。
8.いじめられている友人の話、友だちや学級の不平・不満を口にするようになる。
9.すぐに謝るようになる。
10.無理に明るく振る舞おうとする。
11.外に出たがらない。
12.電話に敏感になる。友達からの電話にていねいな口調で応答する。
13.「どうせ自分はだめだ」などの自己否定的な言動が見られ、現実を逃避することや死について関心を持つ。

<服装・身体>
14.朝、腹痛や頭痛など、身体の具合が悪いと訴える。トイレからなかなか出てこなくなる。
15.衣服の汚れが見られたり、よくケガをしたりするようになる。
16.寝付きが悪かったり、眠れなかったりする日が続く。

<持ち物・金品>
17.学用品や所持品、教科書を紛失したり、落書きされたり、壊されたりする。
18.家庭から物品やお金を持ち出したり、余分な金品を要求したりする。

<その他>
19.親しい友だちが家に来なくなり、見かけない子がよく訪ねてくるようになる。
20.親の学校への出入りを嫌う。

こうした項目をひとつの参照にしながら、保護者がいじめの兆候にいち早く気づくことが肝心。もし夏休み明けに学校へ行くのを渋る子どもに、どうしても不安を感じてしまうとすれば、外部の支援を頼ることも大切です。家庭で抱え込まずに、「ストップいじめ!ナビ」をはじめ、チャイルドラインやカウンセラーなど、しかるべきプロの相談者を見つけ出すことも念頭に入れておきましょう。

(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)

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