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家庭でできる食中毒対策 ポイントは「手」にあり

秋も要注意! 秋に食中毒が起こる理由と防ぎ方
気温が下がり、過ごしやすくなる秋。夏に発生しやすいイメージのある食中毒だが、秋も油断大敵だという。家庭で食中毒を防ぐためにはどうすればいいのか。学校給食の指導もおこなう東京医科大学の中村明子兼任教授に聞いた。

●手洗いに盲点が! 手を汚さないためにはどうすればいい?

家庭での食中毒対策のポイントは「手」にあると中村教授は言う。

「私は『手は病原体の運び屋』と言っているのですが、そのくらい手を清潔にしておくことは大切です。手に菌が付着していれば食品にもついてしまい、子どもの口にも入ってしまいます。

キッチンのなかで、もっとも気をつけたいのが水道のレバーハンドルです。水を出すときには汚れた手で握るので、手を洗って水を止めるときに触れば、また菌が付着します」(中村教授 以下同)

レバーハンドルを握らずに水を使うには、どうすればいいのか。ヒントは給食調理の現場にあるという。

「給食作りの現場には長いレバーハンドルがあり、作業する人は肘と手首の間を使って上げ下げしています。この方法を活用し、手の甲で上げ下げするのがおすすめです。料理中に食品にさわるのは手のひらなので、手の甲なら食品への菌の付着も少なくてすみます。ひねって水を出すタイプなら、キッチンペーパを使ってさわるようにするといいですよ」

お弁当をつくる姿

●20分で増殖! 水のあるところに菌は育つ

いたるところに存在する菌。増えるためには、一定の条件があるそうだ。

「菌が増殖するために必要なのは、『栄養と温度と水分』です。3つのうちの1つでもなくなると、菌は発育できません。とはいえ、菌が育つ温度は10度から60度と広範囲のため、室温を管理するのは難しい。簡単に意識しやすいのは水分です。野菜を洗った水分に含まれるわずかな栄養分でも菌は成長します。ここが注意点です」

中村教授によれば、「菌は20分で増殖し、1個の菌が一晩で10万個にもなる」という。例えば、野菜についていた大腸菌が洗ったときにシンク付着したとしよう。そのまま濡れた状態で一晩経過すると、シンクは菌だらけになってしまうという。

「水分のあるところに菌は増殖します。夕食後の食器を『明日の朝でいいか』と洗わずに浸け置きすれば、当然ながら菌は増えます。使用済みの布巾にも菌がたまりやすいので、『使ったら広げて乾かす』を徹底しましょう」

●キャラ弁は要注意! お弁当作りのポイント

お弁当作りにも食中毒の危険がひそんでいる。

「お子さんの喜ぶ顔が見たいと『キャラ弁』を作られる方もいますが、さわればさわるほど菌が食品に付着します。特に菌が増えやすい時期には、避けたほうが無難です。

どうしてもキャラ弁を作りたい場合は、海苔を切ってからオーブンや電子レンジで温める、ソーセージを形にしてから焼くなど、加熱をおすすめします。菌はゼロにはならないけど、減らすことはできます」

梅干しや抗菌シートなど、食中毒を防ぐためのグッズや食材を利用するのはどうなのだろう。

「梅干しにせよ抗菌シートにせよ、触れている部分の菌の増殖は防げると思いますが、お弁当全体的に効果があるかといわれると疑問です。梅干しの場合は、ごはんに乗せるより混ぜ込むほうが全体に行き渡りますよ」

つまり、アイテムを過信しすぎるよりも、食材の詰め方や加熱などに意識を向けることが、食中毒を防ぐことにつながるといえる。

「ほかにも、おかずは水分の出ない揚げ物などが適しています。生野菜からは水分が出るので、どうしても入れたい場合は個別の容器を使ったほうがいいでしょう。ミニトマトのヘタには菌がついているので、必ず取ること。持ち運ぶときは保冷剤を入れることもポイントです」

食中毒の危険性は、身近なところに潜んでいる。キッチン周りの環境を整えることはもちろん、調理の仕方など、菌を増やさないように意識を配ろう!
(取材・文:畑菜穂子 編集:ノオト)

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お話をお聞きした人

中村明子
中村明子
東京医科大学兼任教授(微生物担当)・NPO栄養衛生相談室理事長
共立薬科大学(現慶應義塾大学薬学部)を卒業し、国立予防衛生研究所細菌部室長、共立薬科大学理事・特任教授を経て現職に就く。学校給食における食中毒予防のため衛生管理の指導をおこなう。
共立薬科大学(現慶應義塾大学薬学部)を卒業し、国立予防衛生研究所細菌部室長、共立薬科大学理事・特任教授を経て現職に就く。学校給食における食中毒予防のため衛生管理の指導をおこなう。

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