早く片付けてはNG!増えすぎた夫の持ち物どうやって処分してもらう?

第1回 夫婦それぞれの持ち物をどうやって管理する?喧嘩しない処分法と片付け術
プラモデル、フィギュア、カードや食玩などなど、コレクション好きの男性は多いもの。でも、限りある家の中のスペースに夫の趣味の物が増えすぎると、邪魔に思ってしまうのが正直なところではないでしょうか。かといって一方的に「捨てて」というのもなんだか角が立ちそうで…。無理のない範囲で折り合いをつけて処分してもらうにはどうしたらいい? 整理収納アドバイザーの中山真由美さんに聞きました。

夫の趣味のコレクション。喧嘩せずに少しだけ処分してもらうには?

「『増えすぎた夫のコレクションをどうやって処分してもらえばいいのかわからない』というお悩みをお持ちの奥さまは実はとても多いです。夫の持ち物を処分してほしいとき、一番やってはいけないことは、『妻の判断で勝手に捨ててしまうこと』。下手に強行突破してしまうと、その先ずっと遺恨を残しかねません。収納ケースなどにしまいっぱなしでただキープしているだけの状態が続いている場合、いきなり処分しようと意気込むのではなく、まずは夫の趣味に理解の姿勢を示しながら『あなたのコレクションを一度全部見てみたい』と持ちかけてみることが片付けの第一歩です」(中山さん、以下同)

片付けの基本は、“片付けたい場所から一旦全てを出す”ことだと中山さん。奥底にしまい込まれたコレクションを全て出して見える状態にすることで、夫も自分の持ち物を改めて把握することができ、不要なものを発見しやすくなるのだそう。

「できるだけ全てを見える場所に出したうえで、お互いが快適に過ごすためにも、少しだけ整理してほしいという気持ちを伝えましょう。その際に “好きな順”や“使用頻度”をさりげなく尋ねてみるのがポイントです。そうすることで、何が本当に必要で、手放してもいいものはどれなのか、夫自身も見えてくるはずです」

早く片付けてはNG!増えすぎた夫の持ち物どうやって処分してもらう?

夫に持ち物を処分してほしいときの伝え方は?

「ものを捨てることができるかどうかは心の持ちよう次第。お願いするときにはネガティブワードを避け、最終的な目標が捨てることであっても「捨てて」や「処分して」は言わないでおきましょう。「片付け」には「片をつける(=終わらす、ケリをつける)」という意味がある通り、言われた側の心情としてはあまりおもしろくありません。コレクションをより快適に保存するための整理だと思えば、少しくらい処分する気持ちも起きるものです」

夫に片付けをしてもらうためには、さりげなく誘導してあげるのがポイント。具体的には…。

<NGワード>
・「早く片付けて」
・「いらないものは処分して」
・「これ、邪魔なんだよね」

<OKワード>
・「この辺りをちょっと整えたいね」
・「もう少し取り出しやすいように(使いやすいように)してみない?」
・「きれいに整理したらもっと良くなるね」

溜め込みはコレクションに限らない。思い出の品が捨てられない夫も

特に何かをコレクションしているわけじゃないのに、やたらと持ち物の多い人もいますよね。そんな夫にはどうやって処分してほしいことを伝えればいいでしょうか?

「これまで数多くの片付け相談を受けてきましたが、持ち物の多い男性の特徴のひとつとして、“過去に縛られている”ことがあげられます。たとえば過去の栄光を思い出させる青春時代の部活用品や、既に終わって見返すこともない仕事の資料など、なんらかの“思い入れのある品”が捨てられないでいるのです。ここでもやはり、持ち物を一旦全部出してもらって、見える状態にすることから始めます。そして、思い入れのある品については、とことん思い出を語ってもらいましょう。持ち物は心と直結しているもの。妻に語って思い出を浄化させる作業をすると、意外にあっさり手放せるようになりますよ」

本音は「今すぐに捨ててほしい」と思っていたとしても、まずは相手に歩み寄ったうえで、少しずつ時間をかけてものを減らしていくことが大切なのですね。
(文・宇都宮薫)

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

お話をお聞きした人

中山真由美
中山真由美
インブルーム株式会社 取締役(整理収納サービス事業部責任者)
整理収納アドバイザー。「整理収納」サービスと電撃的な出会いをしたことで、子供の頃からの「捨てベタ」「しまいベタ」を克服。この経験を元に、インブルームで整理収納事業を立ち上げ、個人宅や法人の整理収納コンサルティングやマンションの間取りの提案や監修、セミナーを精力的におこなっている。雑誌での連載や特集記事、テレビ、講演など幅広く活躍中。 著書に『心も整う「捨てる」ルールと「しまう」ルール』(集英社)『捨てられずにいる不用品の「捨てどき」がわかる本』(扶桑社) などがある。
整理収納アドバイザー。「整理収納」サービスと電撃的な出会いをしたことで、子供の頃からの「捨てベタ」「しまいベタ」を克服。この経験を元に、インブルームで整理収納事業を立ち上げ、個人宅や法人の整理収納コンサルティングやマンションの間取りの提案や監修、セミナーを精力的におこなっている。雑誌での連載や特集記事、テレビ、講演など幅広く活躍中。 著書に『心も整う「捨てる」ルールと「しまう」ルール』(集英社)『捨てられずにいる不用品の「捨てどき」がわかる本』(扶桑社) などがある。