保活の新たな選択肢「認定こども園」って何?

第1回 幼稚園と保育園のいいとこどり? 「認定こども園」とは
政府が2020年末までのゼロ目標を目指しているとされる、保育園の待機児童問題。だが2017年4月の段階で、日本の待機児童数は2万6081人。前年比で2528人増加しており、解消の目途がついているとは言いがたい状態だ。

そんな現状において、子どもを預ける新たな選択肢として増えつつあるのが「認定こども園」。2013年より施行がスタートしているが、現状どのようになっているかの実態はあまり見えてこない。

そもそも、「認定こども園」とはどのようなものなのか。現在の保育園や認定こども園の現状に詳しい、保活専門家として活動する山下真実さんに聞いた。

●「認定こども園」の基礎知識…4つのタイプとは?

「『認定こども園』とは一般的に、幼稚園と保育園が一体となっている施設です。保育園と幼稚園のいいところ取り、またはその中間というイメージを持つ人も多いですが、一応4つのタイプに分類できます」(山下さん 以下同)

■幼保連携型
単一の施設で、幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ。開園時間は1日11時間、土曜日開園が原則(保育の利用希望がない場合など、就労の状況など、地域の実情に応じて、各施設の判断での運用も可能)。

■幼稚園型
「認可幼稚園」がベースとなり、延長保育や長期休業の対応など、保育園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たしている。開所時間や開園日の運営は、地域の実情に応じての設定が可能。

■保育園型
「認可保育園」がベースとなり、教育的要素を取り入れた幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たしている。開園時間は1日11時間、土曜日開園が原則(保育の利用希望がない場合など、就労の状況等の地域の実情に応じて、各施設の判断での運用も可能)。

■地方裁量型
幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たしている。開所時間や開園日の運営は、地域の実情に応じての設定が可能。

保活の新たな選択肢「認定こども園」って何?

●タイプにこだわらず、選択肢は幅広く持つのも重要!

タイプ別にそれぞれの特徴をみていくと、それぞれ運営の基準は微妙に違うことがわかる。もし保育園を希望するママは、「保育園型」を選んだほうがいいのだろうか?

「認定こども園は施設ごとに個性が出やすいので、保育園型・幼稚園型などのタイプで判断せずに個別に見学してから決めた方がよいでしょう。例えば、保育園型であれば以前から保育園として運営されてきた施設ですから基本的には保育園っぽい園が多いとは思いますが、幼稚園型であっても保育に力を入れているところ、幼保連携型で素晴らしい保育を実施していることがありますよ」

認定こども園を希望する際は、タイプよりもそれぞれの園の個性を気にしてみると良さそうだ。保育園激戦エリアで入園を考えているママにとっては、認定こども園も子どもを預ける場のひとつとして、選択肢に入れてみてもいいのかもしれない。
(取材・文:高山惠 編集:ノオト)

お話をお聞きした人

山下真実
株式会社「ここくる」代表取締役。投資銀行や金融コンサルティング会社でキャリアを積みながら、2011年に第一子を出産。2013年に現代にあった子育て支援を実現するため、託児付きでランチが楽しめるサービス「ここるく」を起業。2016年には保育園入園のためのノウハウ本『保育園に入ろう! 保活のすべてがわかる本』(洋泉社)を出版。保育園入園を考えるママたちに情報を発信している。
株式会社「ここくる」代表取締役。投資銀行や金融コンサルティング会社でキャリアを積みながら、2011年に第一子を出産。2013年に現代にあった子育て支援を実現するため、託児付きでランチが楽しめるサービス「ここるく」を起業。2016年には保育園入園のためのノウハウ本『保育園に入ろう! 保活のすべてがわかる本』(洋泉社)を出版。保育園入園を考えるママたちに情報を発信している。