メディア個別 【セミナーレポート】プレコンセプションケアとは?最新情報をお届けします | カラダのキモチコラム | ママの知りたいが集まるアンテナ「ママテナ」
ママの知りたい情報が集まるアンテナ

ママテナ

【セミナーレポート】プレコンセプションケアとは?最新情報をお届けします

第46回 カラダのキモチコラム
プレコンセプションケアとは将来の妊娠のために健康管理を提供することです。若い世代が自身の健康管理をきちんとすることで、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすることを目的としています。 2 […]

プレコンセプションケアとは将来の妊娠のために健康管理を提供することです。若い世代が自身の健康管理をきちんとすることで、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすることを目的としています。
2017年11月13日、慶應義塾大学にて第3回プレコンセプションケア・オープンセミナーが開催されました。プレコンセプションケアとは何か、目的や意味、そして今後どのように発展してゆくのか。最新情報をお届けします。

プレコンセプションケアの意味


プレコンセプションケア(Pre-Conception-Care)とは、『Pre=あらかじめ・Conception=授かる・Care=ケア』の組み合わせです。赤ちゃんを授かる前から健康ケアを行うという意味になります。若い世代の男女が将来の妊娠を考え、健康管理を意識し、健やかな生活を送れることを目的としているそうです。

プレコンセプションケアセンターの役割

妊娠・出産時の親の健康状態が、生まれてくる赤ちゃんの健康状態に大きな影響を与えると言われています。喫煙や肥満・痩せ、感染症や薬剤のリスクなどが知られていますが、それらは「妊娠してから改善する」では遅いのです。

※講演会資料より
受精から4週~10週間で赤ちゃんの様々な臓器が作られます。妊娠に気づくころには、中枢神経や多くの臓器の元がもう出来上がっているのです。先天性異常を予防するためには、母体である女性が外的原因となるものを理解し、妊活前から予防することが大切とのこと。

近代の女性は「痩せ志向」にあり、痩せ型とされるBMI18.5未満の方が増えています。それに合わせるかのように、低体重で生まれてくる赤ちゃんの数が増加しているそうです。

一方で、若い女性の肥満も増加しており、帝王切開や早産のリスクも上がっています。


他にも、晩婚化や出産年齢の高齢化、若い女性の生活スタイルの乱れなど、妊娠における様々なリスクが上がってきていると言えます。
そのような現状を支えるため、プレコンセプションケアセンターは「チェックプラン」「相談外来」などのサポートを行っています。

プレコンセプション・チェック(検診・カウンセリング)とは

将来妊娠を考える10代~40代の女性を対象に、必要な健康状態のチェック(検診)があり、希望すれば受信できます。身体測定、血圧測定、尿検査、血液検査、画像検査、婦人科検査に加え、問診票での食事記録から妊娠する上で問題となることがないかチェックします。妊娠を考えるにあたって改善点や注意点を、検診結果に基づき医師や管理栄養士によってカウンセリング・アドバイスを受けることができるのです。妊娠に向けてのよりよい体づくりだけでなく、将来の健康増進にもつながるので、すべての女性に受けていただきたいと思える素晴らしい内容です。
料金・予約方法についてはこちらをご覧ください。

将来妊娠を考える方を妊娠前からサポートすることが、プレコンセプションセンターの役割だと、プレコンセプションケアセンター・母性内科医長 荒田尚子先生はおっしゃっています。

※参考:「プレコンセプションケアセンター設立2周年の歩み」
国立成育医療研究センタープレコンセプションケアセンター・母性内科医長 荒田尚子先生

【第3回プレコンセプションケア・オープンセミナーレポート】

「プレコンセプションケアのいいこと」

2017年11月13日に開催されたオープンセミナーには105名もの方が参加され、プレコンセプションの現状・未来について考える場となりました。未来に生まれてくる赤ちゃんについて、「今できること」を様々な視点から教えてくださった先生方のお話をまとめてみます。

妊娠的定期は20代前半

国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター・副センター長 齊藤英和先生

齊藤先生は「妊娠適齢期と生殖補助医療」についてお話されました。「女性は20代後半より、タイミング法によって妊娠率が下がることを心配されています。一方男性のタイミング法による妊娠率は40代から下がるそうで、一見高齢での子づくりでも問題ないかのように見えますが、そうではないんです。男性側は、30代後半から先天異常率が上昇するというデータがあり、40歳以上の精子の質の劣化から、男性側のみ高齢という場合でも妊娠に関するリスクがあります。」とおっしゃっていました。自然流産率や周産期死亡率、妊婦死亡率、染色体異常リスクなどのリスクを考えると、妊娠的定期は20代前半であると言えるそうです。

また生殖補助医療も進歩していて、19人に1人が生殖補助医療で生まれている計算となります。高齢になればなるほど出産率は低下し、45歳以上では1%以下(1000回に1回が成功)になります。ですが、生殖補助医療は夢の治療ではありません。「欲しい子どもの数」と「達成率(妊娠成功率)」から、妊活を開始すべき上限年齢を分かりやすくまとめたものを提示してくださったのが下記の表です。

子ども1人 子ども2人 子ども3人 自然妊娠 不妊治療 自然妊娠 不妊治療 自然妊娠 不妊治療 どちらでも
50% 41歳 42歳 38歳 37歳 35歳 36歳 できれば欲しい
75% 37歳 39歳 34歳 35歳 31歳 33歳 絶対欲しい
90% 32歳 35歳 27歳 31歳 23歳 28歳

※出典:Habbeman et al. Hum Report.30;2215-21 2015
※講演会資料改変
子どもが欲しい方はライフプランニングを立てて考えて欲しい、齊藤先生はそう強くおっしゃっていました。

セルフケアマネジメントの未来像

慶應義塾大学SFC研究所 上席所員・博士(医学) 本田由佳氏(左下)

本田先生は「日本は痩せている女性が美しい」とされていることに危機を感じていることから、女性に正しい健康知識を広げることが重要であるとお話されていました。小さく生まれると生活習慣病になりやすいという疫学研究から、イギリス・フランスでは「痩せているモデルを使わない」という運動が始まっているそうです。しかし、日本では痩せすぎ女性が増え続けていると警鐘を鳴らします。先進国の中で出生体重がどんどん減っているのは日本くらいだそうです。妊婦・授乳婦・一般女性、すべてにおいて、エネルギー摂取量は厚生労働省が推奨する摂取エネルギー量に満たない状況とのこと。

その他、出産の有無に限らず女性が気をつけなければいけないこととして、子宮・乳房における疾病リスクが上がっていることや、月経に関する疾病などを挙げられていました。本田先生は女性の健康リテラシーを上げるためにTeamBHD(Beauty & Health Diary)を立ち上げ、健康教育の結果をレポートされています。

今後の取り組みとして、痩せ・肥満や生理周期などのヘルスケアの情報をプラットフォームに溜めて、オープンデータから様々な活用をしていかなければならないことにも言及されています。ご自身のビッグデータ分析から、日本人女性の体形は、働く率が上がるにつれて痩せ型になっていることも報告されていました。昨今話題になっている「カラダのキモチ」「シェアメディカル」などの女性向け健康アプリを紹介して、ドイツでの事例として病院から妊婦へ必要な情報を発信し、妊婦から病院へ日々のコンディションを送信するシステムも紹介されていました。ICT(情報通信技術)活用で女性の健康をサポートできる仕組みは、近い未来に日本でも実現できるかも知れませんね。

情報のチカラで人を健康に

慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 中澤仁先生

健康情報プラットフォームとは「情報のチカラで人を健康にする」こと。中澤先生は、世界の51%はInternetを使うほど、Internetによる情報はビッグデータの宝庫なので、それを活用して「人に情報が集まる」世界を実現し、情報による健康増進をしたいと語られていました。スマートデバイス化、クラウド化が進む今後は「正しい情報」を「正しいタイミング」で「正しい人」に伝えることが重要となるそうです。

食事は画像を撮影して送信、運動量は活動量計で測定して送信、といったことができるので、このようなデータはすべて集めることが可能になります。そのため、数年で統合されてライフクラウドとなり、健康情報プラットフォームが実現されるとのことです。中澤先生は「健康情報コンソーシアム」を立ち上げ、個人の周りの健康空間(環境)からどのようにデータを集めるか、利用できるかを研究し、IoTを活用した予防医学(未病産業)に取り組まれています。

「妊娠するため」よりも、「自分の健康のため」

セミナーの後半には、有識者によるパネルディスカッションが行われました。
<パネリスト>
国立成育医療研究センタープレコンセプションケアセンター 荒田尚子
産科婦人科舘出張 佐藤病院 第12代院長 佐藤雄一
公益社団法人神奈川県助産師会 会長 村上明美
ドコモ・ヘルスケア株式会社 取締役 ウーマンヘルスケア事業部長 金岡秀信
公益社団法人日本栄養士会 専務理事 迫和子
経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室 室長補佐 藤岡雅美

医療、管理栄養士、企業…様々な立場の方々が、プレコンセプションの未来について話し合いをされていました。医療の立場からは、「来てもらって初めて情報を提供できる場」「本当に届けたい人になかなか届かない」というジレンマがあり、そこをITで補佐して欲しいというIT技術への期待を語られていました。しかし、情報は「使わないとただのゴミ」となってしまいます。情報を蓄積するだけではなく、どのように使うか、どの期間のデータを使うかなどの設計が重要というお話になりました。

プレコンセプションケアを広げる役割として、アプリで期待に応えたいが、そこには医師(助産師など)との連携も必要とのことで、IT技術の立場からは医療側の協力を望む姿勢が見られました。また、管理栄養士の立場からも、アプリなどバーチャルでもいいので、食生活の相談をできる場というのを作って欲しいとの声もありました。プレコンセプションの認知・ブランディングにはIT技術への期待が大きいようですね。
プレコンセプションケアを「妊娠するため」というよりも、「自分の健康のため」と考えてもらえるようにしたいという希望が、今回登壇されたみなさんから伝えられました。

あとがき

プレコンセプションケアは、妊娠・出産のためだけではなく、女性の健康全体を考えることとお考えいただければと思います。健康に対する意識を変えるためには、「痩せすぎが美しい」とされるような意識を、「健康的であることは美しい」という「健康的な女性像」の推奨や、健康美への常識を変える必要があることを痛感しました。ひとりひとりの健康管理が、新しい時代の子どもたちの健康をつくり、未来をつくる…。

IoT活用で健康管理が身近になれば、徐々にみなさんの意識も変わり、プレコンセプションケアが目指す未病・予防が促進されるかもしれません。まずはアプリなど気軽にできることから、初めてみませんか?

「カラダのキモチ」は妊娠を望む女性を応援するため、「からだにいいことpreco」とタイアッププロジェクトを開始。

「カラダのキモチ」×「からだにいいことpreco」限定コラム公開中♪

タイアップ記事を読む

配信元

カラダのキモチ
カラダのキモチ
ドコモ・ヘルスケアがお送りするカラダのキモチコラム。女性のライフステージに合わせて、女性ホルモン、基礎体温、妊活などの情報や、ダイエットや冷え対策など日常生活で役立つ情報をお届けしています。
ドコモ・ヘルスケアがお送りするカラダのキモチコラム。女性のライフステージに合わせて、女性ホルモン、基礎体温、妊活などの情報や、ダイエットや冷え対策など日常生活で役立つ情報をお届けしています。

あなたにおすすめ

ピックアップ