基本中の基本は「明るさ」
まず、写真を撮るうえで基本となるのは「明るさ」です。カーテンを開けて日光(自然光)で撮るだけで、写真の風合いはまったく変わってきます。夜や天気の悪い日は室内で撮ることになりますが、照明によって影が出たり、不自然に一部分だけテカリが出てしまったりするので、なるべく窓際や外で撮影することをおすすめします。
どうしても室内での撮影になる場合は、全体的にまんべんなく光が当たるように工夫するといいですよ。
「接写」で迫力のある写真に
接写とは、被写体にレンズを近づけて写真を撮る方法のこと。たとえば、花を撮影するときなんかによく使われるテクニックのひとつです。
料理の撮影でも接写は大活躍。ただ寄って撮っただけなのに、迫力のある写真が撮れるので◎。
オリジナルのタルタルソースなどが料理にかかっている場合、その粒感まで写すことができるので、より料理の魅力が伝わりやすくなります。
煙や湯気、水滴で“シズル感”を
テレビのイメージ画像で使われる写真を見て、食べてもいないのに「おいしそう」と感じることがありますよね。それはおそらく、“シズル感”の力。
“シズル”というのは、ご存知の方も多いとは思いますが、ステーキや揚げたての食べ物がジュージュー音を立てている様子のこと。音だけでなく、お肉を焼くときの煙や野菜や果物についた水滴など、食欲をそそるものについても使われる言葉です。
たとえばお肉を撮影する場合、焼けた後のお肉が皿に乗っている写真と、鉄板や網の上で焼いている途中の写真では、後者のほうが臨場感がありますよね。
また野菜や果物を撮影する場合も、ただ並んでいるよりは、水滴がついているほうがフレッシュさが増す気がしませんか?
今の季節なら「鍋」もそう。写真では実際の温度を伝えることができません。しかし、湯気も一緒に写っていれば、“アツアツ感”が伝わります。
これらを意識するだけで、写真の写りは断然良くなるはず。また、写真を撮ることがより楽しくなりそう! ぜひ一度試してみてください。
(文・山手チカコ/考務店)