【あやしのプロに聞いた】誰でもできるぐずった赤ちゃんへのあやしテク

第1回 子連れ外出をもっと気軽に ママと社会の接し方
ぐずったり、ギャン泣きする子ども。そして、そのお母さん。そんな場面に遭遇すると「大変だなあ…」と、特に育児経験のあるママはしみじみと感じることでしょう。「何か声をかけて励ましてあげたり、子どもをあやしてあげたりした方が良いのかな?」そう思う一方で、「余計なお世話と思われるかも」とも。

【あやしのプロに聞いた】誰でもできるぐずった赤ちゃんへのあやしテク

こうした状況の場合、どんな声がけをするのが良いものなのでしょう? そこで、今回はベビーモデルトレーナーの野田純子さんにご意見をお聞きしました。ベビーモデルトレーナーとは、テレビCMや広告などの撮影時、赤ちゃんモデルを起用する際に、赤ちゃんのご機嫌管理やアクション誘導、健康管理などを行う仕事。いわば、赤ちゃんのご機嫌コントロールのプロ。野田さんは「状況や赤ちゃんの月齢などにもよりますが よくあるケースに遭遇した想定で」とした上で、以下のようにお話してくれました。

●あやしの大前提はママと赤ちゃんへの寄り添い

「まずママへ声をかけるとしたら『健やかですね』『元気だね』『いい声ですね』と 泣くことへのネガティブな印象を強調しない声かけが良いと思います。喜怒哀楽をしっかり表現できる赤ちゃんは健やかに成長している証し。シンプルに赤ちゃんの成長を共に喜んであげることが何よりです。はじめの声かけは一言二言にとどめ 暖かい目線で見守ってあげることが良いと思いますよ」(野田さん 以下同)

赤ちゃんがぐずっている状態の時、ママは申し訳ない気持ちや不安でいっぱい。自分がもしその状態なら、どんな言葉がありがたいと感じるか。気持ちをおもんぱかる寄り添いの一声をかけてみましょう。

「ママからその先のお話が進むようなら会話を続けましょう。お話しすることでホッとするママもいるかもしれません。同意と共感を軸に話を聞いてあげるスタンスが良いですね。赤ちゃんもママが嬉しそうに誰かとお話しするのを見て泣き止むことも。ママとお話しするときは赤ちゃんをじっと見つめ過ぎないことも大切です」

逆に、赤ちゃんの顔にぐっと近づき「大丈夫ー?」「大変ねえ〜!!」「困っちゃうわね〜!」など赤ちゃんに直接話しかけたり覗き込むのはNG行為と野田さんは話します。無理やり赤ちゃんの手や足を掴み、あやしたりすることも月齢によってはお勧めできないそうです。あくまでも簡単な会話にとどめておきましょう。

●赤ちゃんへのあやし行為が赤ちゃん自身の脳育にも

こちらから声がけ等をしなくても、むしろ赤ちゃんの方からじっと目を見つめてくることも。こういう赤ちゃんならば、声をかけても大丈夫…?

「目と目を合わせることがまだ怖い月齢もあり、怖いものから目をそらすことができない赤ちゃんもいますので、赤ちゃんの気持ちや状況をよく観察しましょう。もしも興味深くじっと見ているようなら、目線をそっと合わせたり外したり、パスケースやハンカチでいないいないばあをしても良いでしょう」

リズムをつけて繰り返し見え隠れすることは、脳を活性化させ、赤ちゃんの楽しさやワクワク感をアップさせるそう。また、目線を合わせることが怖い赤ちゃんや人見知りの強い赤ちゃんはキーホルダーなど カチャカチャと音がしたり、はっきりした色合いの小物など興味を引くものに目線を誘導してあげることも良いと野田さんはアドバイスします。

「赤ちゃんのあやし方は十人十色! 言葉が理解できるイヤイヤ期の月齢なら、その訴えに対して『そうなんだね、そうしたいんだね』と、同意してあげた上で何か別のものに 気をそらしてあげることなども有効です。人見知りや場所見知り、イヤイヤ期など赤ちゃんの成長過程でアプローチの方法は全く違いますが、決して難しいことではありません。そしてあやすことは赤ちゃんの最大の脳育につながります。ぜひ、赤ちゃんの気持ちに寄り添いたくさんあやしてあげて下さい」と野田さん。

野田さんのアドバイスを振り返ってみると、声の掛け方やあやし方、その行為自体はとても簡単なことにあらためて気づかされます。だからこそ、相手が何を求めているのか、思いと察しが大切なんですね。
(文・鈴木大介/考務店)

お話をお聞きした人

野田純子
野田純子
ベビーモデルトレーナー
雑誌やCMなどの撮影現場で年間1000名以上の赤ちゃんと関わる「お世話」のプロ。国際ホリスティックセラピー協会チャイルドボディセラピスト。JADPチャイルドコーチングアドバイザー。
雑誌やCMなどの撮影現場で年間1000名以上の赤ちゃんと関わる「お世話」のプロ。国際ホリスティックセラピー協会チャイルドボディセラピスト。JADPチャイルドコーチングアドバイザー。