子どもに歯みがきを覚えさせるには

子どもに歯みがきを覚えさせるには

第3回 はじめての「歯みがき」デビュー大作戦
乳歯が生えはじめたら、歯みがきのスタートです。はじめは、親がみがいてあげますが、少しずつ、子どもが自分でみがけるように練習させましょう。子どもの歯みがき習慣は、どのように身につけていけばよいのか、歯科衛生士の菊池俊子先生に伺いました。

まずは歯ブラシに慣れることから

「前歯が生えはじめたら、赤ちゃん用の歯ブラシを持たせましょう。最初は口に入れるだけ、噛んでしまうだけですが、この時期は、歯ブラシを持つことに慣れればOK。親が歯みがきしているところを見せて、同じようにマネさせるのもおすすめです」(菊池先生 以下同)

子どもが歩き回るようになると、気をつけたいのが歯みがき中の事故。

「子どもが歯ブラシを口にくわえたまま転倒して、ブラシが上あごやのどに突き刺さる事故が報告されています。子どもに歯ブラシを持たせるときは、必ず座らせて、目を離さないようにしてください」

子どもに歯みがきを覚えさせるには

みがく順番を決めて上手に歯みがき

歯ブラシに慣れたら、実際のみがき方は、どのように教えていけばいいのでしょうか?

「食事のときに、だんだんスプーンを使うのが上手になるように、歯ブラシもしだいに、思ったように動かせるようになっていきます。最初のうちは、正しくみがくことよりも、“自分でみがいていること”を大切にして、ほめてあげましょう。慣れてきたら、少しずつ、正しいみがき方を教えていきます。歯ブラシの毛先を歯の面にあてて、力を入れ過ぎず、一本一本丁寧にみがくように指導しましょう。みがき残しを減らすには、順番を決めてみがくことが大切です。前歯、奥歯を、上の歯、下の歯と場所を分けて、順番にみがくようにすると、みがき残しが少なくなります」

■おすすめのみがき順
1.上の歯の外側
  前歯→左右奥歯
2.下の歯の外側
  前歯→左右奥歯
3.上の歯の内側
  前歯→左右奥歯
4.下の歯の内側
  前歯→左右奥歯
5. かみ合わせ
  上下左右

「みがきやすい歯からはじめる方がいいと思いますので、この順番をおすすめしています。親の寝かせみがきも同じ順番で大丈夫です。お子さんが自分でみがくようになっても、最後に親の仕上げみがきは続けてください。小学校3年くらいまでは、子どもがみがいたあとに、不十分なところをチェックして、みがいてあげるようにしましょう」

お子さんの歯をむし歯から守るには、親の果たす役割が大きいんですね。親子で楽しく正しい歯みがき習慣を身につけたいですね。
(やまもとさくら+クレッシェント)

お話をお聞きした人

菊池俊子先生
菊池俊子
歯科衛生士(学校法人東京滋慶学園 新東京歯科衛生士学校所属)
歯科衛生士として20年以上のキャリアがあり、現在は「学校法人東京滋慶学園 新東京歯科衛生士学校」にて、歯科衛生士の育成に携わる。FDC(Faculty Development Coordinator)として、新任講師の教授力向上を実現している。
歯科衛生士として20年以上のキャリアがあり、現在は「学校法人東京滋慶学園 新東京歯科衛生士学校」にて、歯科衛生士の育成に携わる。FDC(Faculty Development Coordinator)として、新任講師の教授力向上を実現している。