30代で1000万円を貯めるために見直すべき消費項目は?

30代で1000万円を貯めるために見直すべき消費項目は?

第5回 30代のうちに「1000万円」貯めるには?
教育費やローンなど、何かと出費が増える30代。「お金が出ていくばかりで貯まらない」と嘆いている人も多いのではないでしょうか。しかし、働き盛りとあって、長期的には老後の資金もこの時期にしっかり貯めていきたいところ。

収入を増やすのはなかなか難しいけれど、消費を見直すことはできるはず。もしかしたら、無駄な消費を続けている人も多いかもしれません。

「30代に1000万円を貯められたら気持ちも楽になると思います」と話すのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。1000万貯蓄を達成するために、真っ先に節約するべき項目について教えてもらいました。

●家計の割合を大きく占めるものから節約するべき

まずは消費の中でも、“大きな割合を占めている部分”を見直すべきと丸山さん。原則として、固定費をいかに減らしていくかが重要とのこと。

「まずは、家賃から見直していきましょう。一般的には、手取り収入の3割までと言われています。そこを上回ってしまうと、貯蓄に回せるお金が出てこないケースがほとんど。もし3割を超えているようであれば、引越しも視野に入れた方がいいでしょう」(丸山さん、以下同)

また、「通信費」も節約のポイント。ひと昔前に比べ、家計の中で大きな割合を占めるようになり、節約の余地があるといいます。

「以前は固定電話だけだったので、電話料金もさほど掛かりませんでした。しかし、今は一人一台スマホを持つ時代。さらに、プロバイダーと契約してインターネットに加入している世帯がほとんど。スマホをSIMフリーにしたり、プロバイダーとセットのスマホを持ったりと、抑えようと思えば抑えられるので、しっかりと見極めた方がいいと思います」

ちなみに、最近さまざまなメーカーから発売されている格安スマホを導入する際には、スペックをしっかりリサーチした方がいいようです。

「たとえば、OCNであれば、高速モードと低速モードがあり、低速モードではパケットの加算がありません。低速モードでも3Gくらいなので、接続が遅すぎるということもなく、さほどストレスは感じないと思います。もし高速モードで月のパケット容量を超えてしまったとしても、追加料金なしで、3Gで接続させることができます。また、SIM の増設ができ、一つの契約でスマホを複数持つことができるので、家族で通信費をおさえることができます」

さらに、駐車場代や維持費がかかる自動車も本当に必要なのか、いま一度考えた方がいいと言います。

「最近、流通が便利になったので 、Amazonや楽天といったネットスーパーも充実しています。主婦の方で買い物や移動用に車を保有している場合は、本当に必要なのか改めて考えてみましょう。たまに使用する程度であれば、経費が抑えられるカーシェアリングもひとつの手です。都市部であれば、電車やバスなど、公共の交通機関で事足りるケースがほとんどではないでしょうか」

●保険は「人生で二番目に高い買い物」。安くていいものを選ぼう

その他、固定費以外に見直すべき大きな出費は、保険料とのこと。

「30代で結婚や出産を機に保険に入る人は多いのですが、なかには毎月数万円の保険料を支払っている方も見受けられます。確かに、子どもが小さいと、死亡保障は厚めにした方がいいですが、医療保険に1万円以上も支払うのはおすすめしません。というのも、現在健康保険は3割負担で、仮に大きな手術や治療が必要になっても、高額療養費制度でまかなえるからです。日本は、医療費に関しては恵まれています。毎月の保険料に数万円支払うのであれば、貯蓄に回した方がいいと思います」

ちなみに、医療保険は一度病気をすると加入できないことがあったり、健康保険の対象外となる自費治療もあったりと、高額になってしまうケースも。「5000円以内でも充実した医療保険はあるので、貯蓄を踏まえたうえで、家計とのバランスを考えましょう」と丸山さん。

30歳からの10年間、毎月9万円貯めることができれば、1000万円貯蓄を達成することができます。厳しいハードルだからこそ、家計をシビアに見直し続けることが必要なのです。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)