芸術、食欲、文学、実り、行楽。秋をまるごと楽しむ小田原5,000円旅
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

芸術、食欲、文学、実り、行楽。秋をまるごと楽しむ小田原5,000円旅

第2回 いつもより、ちょっとだけ遠くへ。
秋の魅力を詰め込んだ旅へ、いざ
3,000円を握りしめ、週末に旅を楽しむ「3,000円旅シリーズ」ですが、今回はちょっぴりリッチな“5,000円旅”をすることにした筆者。3,000円旅では行けなかった場所に行きたいと、都内から日帰りで行けるおすすめスポットを聞いて回ったところ「小田原にある『江之浦測候所』がとってもいいよ」という声をキャッチ。

早速調べてみると、写真家で現代美術作家でもある杉本博司さんが手がけた美術の複合施設、とのこと。芸術はチンプンカンプンな筆者ですが、何やらすごい場所なのは伝わってきました。しかも、とっても風光明媚な環境にあるらしい。日頃の疲れを癒し、リフレッシュできそうな予感……。これは、『江之浦測候所』をメインにした小田原旅へ行くしかない!

■芸術の秋を感じに。アートの原点を見つめる「江之浦測候所」へ

と、いうことでやってきたのはJR東海道線の根府川駅。「江之浦測候所」へは、ここからシャトルバスで向かいます。
バスに揺られて約10分、到着しました。見学は午前と午後の1日2回だけの定員制のため、事前にインターネットからチケット(3,240円/税込)を購入するのがおすすめ。当日券は3,780円(税込)。
相模湾をバックにしたガラスの舞台「光学硝子舞台」。その横の冬至光遥拝隧道の上は、空中を歩いているよう! ビビリの筆者はここまでしか行けませんでした。施設名の“測候所”は、「天空のうちにある自分の場を確認する作業」がアートの起源だったと考えたことから、名付けられたそう。そのため、冬至、夏至、春分・秋分に朝日が昇る方角を軸に設計された施設がそれぞれあります。

美術的な趣向をこらした建築や回廊、舞台などで構成されているのが、一般的な美術館とは違うところ。それを見るだけでなく、中を通ったり、その場所からの風や光を感じたりできるのが魅力です。
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」の中には杉本氏の写真作品「海景」シリーズが。“石”にこだわりがあるのも「江之浦測候所」の特徴。こちらの壁には大谷石が使われています。
長いまっすぐのギャラリーの先には海が臨め、ワクワクとした気持ちになりました。
茶室「雨聴天」は、千利休が造ったとされる茶室「待庵」を、杉本氏が写したもの。屋根や、中の掛け軸にも工夫がこらしてあるので、よく見てみて。
この辺りは昔からみかん作りが盛んだったため、敷地内にもみかんの木があります。旬を前にたわわに実っている様子が見られました。
このほかにも様々な見所がありますが、それは行ってのお楽しみ。パンフレットには載っていない展示も隠れているので、よーく目を凝らして様々なところをチェックしてみて。

行く前は、なんだか難しそうで心配でしたが、意匠を凝らした展示が面白く、新しいアートの楽しみ方を発見できました! また、自然があふれた場所で景色もよく、静か。心落ち着く時間が過ごせました。

■小田原文化財団 江之浦測候所
住所  :神奈川県小田原市江之浦362-1
電話  :0465-42-9170(代表)
見学  :【午前の部】10:00〜13:00
    【午後の部】13:30〜16:30(各回定員制)
定休日 :火曜・水曜、年末年始
入館料 :3,240円(インターネットからの事前購入の場合。当日券は3,780円)

■食欲の秋を満たす! 「小田原さかなセンター」で海鮮に舌鼓

午前を「江之浦測候所」で過ごし、お腹が空いた筆者が向かったのはお隣の早川駅。
かわいい出会いがありました。港町って猫多いですよね。
駅から歩いて7分ほどの小田原漁港のすぐ近くにある「小田原さかなセンター」にやってきました。
市場の新鮮な海産物から小田原のお土産までもが買えるうえ、お食事どころもある施設です。
市場で買ったものを直火で焼いて楽しめるBBQコーナーが人気です。
筆者がランチに選んだのは、「寿司定食 いこい」の日替わり丼1,080円(税込)。その日オススメの海鮮を酢飯で丼にしたものです。
お刺身が肉厚で贅沢! 鮮度抜群のお魚を使っているので味は折り紙付きです!

■小田原さかなセンター
住所  :神奈川県小田原市早川1-6-1
電話  :0465-23-1077
営業時間:9:30〜17:00
定休日 :元旦

■小田原ゆかりの文学者を紹介する小田原文学館で、読書の秋を刺激

続いてやってきたのは、「小田原文学館」です。建物は伯爵田中光顕氏の別邸として建てられたもの。本館は昭和12年に建てられたスペイン風建築で、レトロな雰囲気がかわいい! 
小田原は、その温暖な気候から、明治期以降に政財界人をはじめ、北原白秋や坂口安吾などの文学者が移住、または別邸を構えた土地で、近代文学の先駆者である北村透谷などの出身地でもあります。館内では、そんな小田原ゆかりの文学者の作品や生涯を紹介しています。
敷地内にある白秋童謡館は、大正13年築の純和風の建物。本館とともに国の登録有形文化財となっています。

展示物には、文学者の直筆原稿や手紙、愛用品などがあり、それらを見ているとなんだか親近感が湧いてきました。

北村透谷や北原白秋、坂口安吾など教科書で何度も目にしたことがある文学者だけど、作品を読んだことがなかった筆者。文学館でその生涯を知ったら、読んでみたくなってきました。早速、次の週末は読書しようっと。

■小田原文学館
住所  :神奈川県小田原市南町2-3-4
電話  :0465-22-9881
営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休日 :年末年始(臨時休館あり)
入館料 :大人250円(税込)、小中学生100円(団体割引あり)

■産地ならではの味! Café小田原柑橘倶楽部で実りの秋を味わう

小田原といえば、小田原城。そのお隣にある「報徳二宮神社」へ。お目当てはその中にある「Café小田原柑橘倶楽部」です。柑橘の産地である小田原市片浦地区のみかんやレモンなどを使った加工品の企画販売をしている小田原柑橘倶楽部のカフェです。
地元の柑橘を使ったドリンクが楽しめ、筆者がチョイスしたのは写真右の「ホット!片浦レモン!」(540円/税込)です。低農薬の片浦レモンによる一杯で、すっぱい! けど、程よい甘さで体が温まります。左のドリンクは「ホットするみかん」(540円/税込)。暑い季節はスクイーズやジェラートが人気なのだとか。
店内にはお土産にぴったりな商品がずらり。サイダーやドロップなどおいしそうなものばかりでした。

■Café小田原柑橘倶楽部
住所  :神奈川県小田原市城内8-10 小田原城隣接報徳二宮神社内
電話  :0465-23-3246
営業時間:【月〜金】11:00〜16:00
     【土日祝】10:00〜16:30
定休日 :不定休
境内にはすでに色づいている紅葉が。ちょっと早いですが紅葉の秋も楽しめてラッキー。


■天守閣を見るのは一苦労。行楽の秋を小田原城で

ついに最終目的地、小田原城に到着。初めての小田原旅では押さえておきたいスポットですよね〜。
城内は広く、また天守閣は高い場所にあるのでたどり着くのに一苦労。ハイキング気分です。桜や梅など季節ごとの花が見られるので、城内を歩いているだけでも楽しいはず。筆者が行った日はキンモクセイの甘い香りがしました。
天守閣の中では現在に至るまでの小田原城の歴史や、小田原城を本拠とした戦国大名・小田原北条氏の実績を紹介しています。また、宿場町として栄えた小田原の様子を知ることもできました。

天守閣内は階段移動だから疲れるかと思いきや、1フロアずつ見ながら階段を登るので、意外と疲れない! でも後日筋肉痛になりそうな予感……。
頑張って階段を登った先は、展望デッキです。お天気がイマイチだったので、この日の景色は微妙でしたが、晴れているときは伊豆諸島などがよく見えるそう。

絶景とはいかなかったけど、風が気持ちよくて、疲れが癒されました。

■小田原城
住所  :神奈川県小田原市城内
電話  :0465-23-1373

■天守閣
電話  :0465-22-3818(天守閣直通)
入館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで、時期により開館時間を延長する場合がある)
休館日 :12月第2水曜、年末年始
入館料 :一般500円(税込)
これにて小田原5,000円旅は終了! 旅の開放感からか、610円もオーバーしてしまいました。無念っ! 

でも、芸術に食欲、文学、実り、行楽、紅葉と“◯◯の秋”が存分に楽しめたので、大満足です。たくさんの魅力が詰まった小田原。ぜひ秋の行楽に訪れてみてはいかがでしょうか?

(河島まりあ+アリシー編集部)

※店舗・施設の情報は2018年10月現在のものです。お伺いの際には、直接お問い合わせをお願いいたします
河島まりあ
河島まりあ
雑誌やフリーペーパー、ムック、 書籍、ウェブなどで編集や執筆を行う、フリーランスの編集者・ライター。ビール、そば、硬いパン、オリーブ、アイスが好き。料理が嫌い。趣味なし、特技なしなのが悩み。
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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