2019年春の花粉は6割増し!? 飛散前からできる初期療法とは
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

2019年春の花粉は6割増し!? 飛散前からできる初期療法とは

第4回 知っておきたい病気・健康のはなし
早めの花粉対策で症状を緩和!
花粉症の皆さん、大変です。

気象情報会社ウェザーニューズから、2019年春の花粉飛散量が、例年よりも大量になるという恐るべき予測が発表されました。どうやら、2018年夏が酷暑となったことに理由があるらしいのです。

花粉飛散量が大幅に増加する謎や、大量飛散の直前でも対策できる花粉症の初期療法について、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんに聞きました。

■日射量が多いとスギの花が大量発生する!

──夏が猛暑だと、翌年の花粉飛散量が増えるのはなぜですか?

「日射量や降水量がスギの雄花の成長に影響するためです。スギの雄花は7月ごろから秋にかけて成長しますが、夏によく晴れて日射量が多いと雄花が大量に作られ、翌春には花粉が大量に飛散することになります。逆に、曇りや雨の日が多く日射量が少ないと、雄花の数も花粉飛散量も少なくなるのです」

──花粉が大量飛散する年は、それまで花粉症とは無縁だった人も発症しやすくなりますか?

「花粉症の発症には、その年の花粉飛散量と免疫バランスが関係しますので、これまで平気だった人も発症する可能性は高まりますね」

■初期療法なら、花粉症を遅らせる・軽くすることができる!

──考えるだけで恐ろしい事態ですね。何か事前に対策はできないのでしょうか?

「『初期療法』という方法があります。1月末から2月上旬ごろまでの、花粉の飛散前や症状が軽いうちに治療を始めることで、発症を遅らせたり、症状を軽くしたりできる可能性があるのです。

花粉が飛ばない6~11月ごろなら、身体に花粉のエキスを投与して症状を和らげる『舌下免疫療法』が最も有効なのですが、花粉飛散が始まる1月からは初期療法を行うべきだと考えます」
──どのような治療を行うのですか?

「抗アレルギー薬を内服するか、点鼻薬を用います。どの薬を処方するかは患者さんの症状次第で医師が決めますが、内服薬を処方する場合が多いですね。

症状がない、もしくは軽い状態で薬を投与するため、多くの場合は1つの薬のみ使用することになります。抗アレルギー薬の1つである抗ヒスタミン薬は眠くなってしまう人もいますが、最近の薬は眠気の出ないものが多くなっているので、比較的飲みやすいでしょう」

■薬は飲み続けること。マスクでの対策も必要

──症状が軽くなったと思ったら、内服をやめて良いのですか?

「症状が緩和されても、治ったわけではありません。花粉シーズンの間、内服を続けてください。

なお、完治したわけではないため、薬を服用していても、マスクなどの花粉防止対策は必要です。隙間ができないよう、自分に合ったサイズのマスクを選び、鼻のワイヤー部分をしっかりと密着させ、プリーツを顎の下まで伸ばして使ってください。マスクを着けたら表面は触らないように。一度使用したものは再利用せず、使い捨てにしましょう。

マスクは正しく使えば、吸い込む花粉量を3分の1から6分の1ほどに減らすことができ、鼻の症状も軽くできますよ」
日に日に迫る花粉シーズンを前にして、「今年も花粉を受け入れるしかないのか……」と諦めていた人は、初期療法を試してみるのも手です。気になった人は、早めにお医者さんに相談してみてくださいね。

(五十嵐綾子+アリシー編集部)
五十嵐綾子
五十嵐綾子
ALICEY世代ど真ん中のフリーランスライター・編集者。史学科出身&世界遺産検定1級の世界史系歴女でもあります。知らない世界に飛び込むことや新たな発見をすることが大好きなので、読者の皆さまの世界が広がる記事をお届けします! ※背景画像撮影:中里健太(@LENS_BLOG_)
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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