「まず捨てる」をやめる 「良い片付け方」をライフオーガナイザーに聞いてみた
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

「まず捨てる」をやめる 「良い片付け方」をライフオーガナイザーに聞いてみた

理想を大事に♪
断捨離という言葉がすっかり一般化し、「片付けといえばモノを捨てることが大事」だと思っている人も少なくないのでは。しかし、あれもこれも理由があって部屋に置いてあるし、そう簡単には捨てられない!

今回はそんなゴチャゴチャ状態から部屋を片付けることを得意とするライフオーガナイザーの大村純子さんに片付けの極意を伺いました。

■ライフオーガナイザーとは?

──耳慣れない言葉ですが、ライフオーガナイザーとはどんな人のことですか?

「ライフオーガナイザーは、住まいや仕事、人生のあらゆるモノ・コトを考慮し、整理整頓の仕組みづくりをサポートする片付けのプロです。人それぞれの価値観を客観視するお手伝いをし、それを片付けに生かしていきます。一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会に登録し、活動しています」

──単なる片付けではなく整理整頓の仕組みを作っていくというのがポイントなのですね。

「ライフオーガナイズでは、いきなり捨てることからは始めません。自分にとって快適な暮らしや理想の生き方、価値観などを明確にし、それを手に入れるために、“今必要なモノ”は何かを選びとるための作業をします」
──「捨てる」から始めないのに驚きました。モノを選ぶコツはありますか?

「モノを選び取るためには自分で決めた4つのカテゴリ分けをおすすめしています。カテゴリ分けといっても、難しく考えることはなくて、たとえば『必要/不要』の分類や『思い出/実用』という分類もOKです。『好き/嫌い』から『気分が上がる/上がらない』『キラキラしている/していない』など、自分が判断しやすいワードを挙げてみましょう。

例えば、『好き/嫌い』の基準で分けたら全てが残ってしまったなんていう経験のある方も多いのでは? また、『使っている/使っていない』の使用頻度だけで選んだ時に、その中には、使っていないけれど思い出のモノがあるかもしれない。なので、2つの基準を組み合わせて4つのカテゴリを作り、モノの選別とモノの置き場所を決めると作業しやすくなります。

『好きだけど使っていない』モノがあるなら、それは『手の届きやすい場所になくても良い』ということになるのです。同様に、『思い出だけどキラキラしていない』モノがある場合の対処法には『キラキラしていないから処分する』または『キラキラしていないけど残す』と、どちらも考えられます。それはその人の価値観です。

人によって管理できるモノの量は異なります。分類することで今の自分に必要な量が把握できます。こうして適正量と、あるべき場所を決めていくと、リバウンドしにくい仕組みができていきます。片付けたけれど、元の状態になった時には、自分とその仕組みが合っていないということ。やっぱり駄目だとあきらめる前に、どこができなかったのかを考えて、より使い勝手が良いと感じる方法をどんどん試していきましょう」

■収納場所から全部出す!

「一間あるクローゼットの片付けをお手伝いしました。衣装ケースからはみ出した洋服がケースの上に積まれ、使い勝手の悪い状態になっていました。
まず洋服を全て出し、使用頻度を中心に分けました。『よく着ている』『ずっと着ていない』『特別な時に着る』に加えて、『自分ではない誰かのモノ』で分類。これで次々に判断してもらいました。その結果、最初に納まっていたモノの1/3はクローゼットから出されました。所要時間は4時間ほど。洋服が減ったので、空になった衣装ケースも出て、空間が広くなり使いやすくなりました」

──自分でやってみる場合の取り掛かり方とコツはどんなことですか?

「まずは小さな引き出しから挑戦してみましょう。片付けする場所のモノを全て取り出して分類作業をします。アクセサリーやコスメの引き出しでも、文房具の引き出しでもOK! 引き出しに、本当に自分に必要なモノ、好きなモノが並んでいる光景は自分を幸せな気分にしてくれるものです。そして、できたという自己効力感が、次の片付けの動力となってくれます。写真や書類の整理は時間がかかるので、初めての片付け場所としては、ハードルが高いのでおすすめしません」

──そもそも大掛かりな片付けをしないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?

「収納用品を増やしすぎるのをやめること。現状のクローゼットに収まる程度のモノを選び取るのを普段から意識していきましょう。収納用品の購入が必要である場合には、収納するモノを見てから、大きすぎないか、小さすぎないか判断すると失敗がありませんよ」

──読者へのメッセージをお願いします。

「巷にあふれている片づけのテクニックを参考するのも良いと思いますが、他の誰かの使いやすい仕組みがあなたと一緒とは限りません。自分の価値観を軸にすると、選び取ることが楽になります。自分はどう生きたいのか、どう暮らしたいのか。まずは思考の整理をすることから始めてみてくださいね」

単純に片付けるのではなく、自分の理想を知ることから始めるというライフオーガナイズの考え方。最初は難しいかもしれませんが、一度身につけば、一生使っていけること間違いなし。理想のお部屋を手に入れるために、自分自身を見つめ直してみませんか?

<画像提供/大村純子>

(田中いつき+ノオト)
田中 いつき
田中 いつき
三十路のライター。年を取って、自分を好きになってきたかも。焼きマシュマロが好物。 あとは、コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。悩みは足が大きいこと。 料理、コスメ、雑貨、生き物の話題が好き。
三十路のライター。年を取って、自分を好きになってきたかも。焼きマシュマロが好物。 あとは、コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。悩みは足が大きいこと。 料理、コスメ、雑貨、生き物の話題が好き。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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